肝臓は肝動脈、肺転移は気管支動脈
骨盤再発は内腸骨動脈の分枝
解剖的に、栄養動脈が容易に想定できる部位の動注は、狙う血管が最初から決まっているので、あまり困らない。
それでも、初回入院前に必ず造影CTで動脈を狙って撮影し、この画像から当センターで実際にカテ業務に従事している技師が3Dの動脈の画像を事前に作成してくれている。
これは、人間の顔がみな違うように、シンプルに感じる肝臓の動脈だって、その分岐の仕方は全員が違うからだ。
昔は、事前の動脈の情報がなく、いきなりカテをいれた。
3D画像を作成する高精細なCTとアプリがなかったからだ。
今では、それが比較的容易に作成できるようになり、
必ず初回治療前と、10回など多数回治療した方の場合は血管が潰れている可能性があるのでその確認のため、外来で3DーCTを作成するようにしている。
時に、肝臓の腫瘍なのに、肝臓以外の、例えば横隔膜や、腎臓や、大動脈や、副腎など、肝臓以外の臓器から、肝臓の中に新たに栄養動脈が見つかることがあって、これもまた、カテ中に見つけるよりも、事前に3DCTを撮影しておけば容易に確認できるので便利だ。
ただ、これもただ道具が良くなったから、ではない。
バカとなんとかは・・・・ではないが、
結局のところ、当センターの治療を理解していなければ、
治療を実際に経験し、僕がどのような治療を普段実施しているかわからなければ、適切な3Dの画像は作れない。
わかっていない技師が作った3D画像は、到底、標的に関与がない血管まで含めて、血管のだいたいの全ての解剖の絵を作ってくれる。
これでは、治療に関係のない血管が邪魔くさいし、標的に向かっているかどうか詳細なところがわからない。
だから、リンパ節や播種など、他の施設では実施していない特殊な部位の治療をする際は、普段から一緒にカテに従事してくれている技師に3Dの作成を頼んでおくと、僕の治療内容に合わせた適切な画像を作成しておいてくれる。
本当に、本当に、助かっている。
最近はリンパ節の治療も増えて、これが結構難しい。
そもそもリンパ節動脈、などと名のついた血管がないので、
必ず周辺の臓器の血管から病気に向かって血管が新生している。
だから、予想外のことがほとんどだし、見つけ出しても
必ず術中にその血管から造影剤を注入しながらCTを撮影し(CTA)
ちゃんと標的に関係しているか、それ以外にも他に血管がないか、
この血管から動注して神経症状などの合併症が出る可能性はないか
しっかりと確認してから治療している。
僕が、チームを意識したブログを以前から散々書くのも、
やはり通常の血管造影治療ではなく、
抗がん剤を使った腫瘍内科医が行うカテーテル治療として
特殊だからこそ、よそで血管造影に携わっていたってだけで
うちの治療の即戦力になれるわけではない。
今のチームはもちろんだが、やはり治療をちゃんと理解し
僕と患者が何を求めて治療をしているか、リスクはなんなのか、
ちゃんと事前に電子カルテで情報収集する。
僕のカテのスピードについてきてくれる。
僕がカテに集中している時に患者の状態を常に観察、把握し看護してくれる。
少数精鋭ですが、今のチームは本当に働きやすいし、背中を完全に預けてカテに没頭できる、最高のチーム。
ありがたい。
チームの話に脱線しましたが、
治療前のCTがいかに大切で必要かを今日は書いてみました。
今後、初診の患者さんで、治療適応がありそうな方は、
かならず入院前に造影CTを撮影すること、ご理解ください。