「がんカテーテル治療」
おつかれさまです。
先日の研究会のあるセッションで、大御所の先生がご自身に与えられたお時間を5倍くらいオーバーして力説してたこと。
「切除不能の肝転移なんてものはない。下手くそな外科医がすぐギブアップするだけだ。私は、100個でも200個でも3mm以上なら全部一気に切除する」
会場のみなさん、だまーって聞いてましたが、申し訳ありません、95%の先生は、「昔の先生がいまの化学療法の実情、エビデンスを知らずに、ご自身の最後の残したい言葉をおっしゃっている」と思ったと思います。
転移は、どこにできても、転移です。
血液やリンパの中に、原発巣からがん細胞が流れ出し、肝臓にたどり着いたもの。
これを全身病として扱わず、少しでも見えたら取る、またでたら取る。そんなことしてたら、どんなに元気な人でも最後は手術に殺されてしまいます。
だからといって、抗がん剤治療が全てとも思いません。
問題は順番なんです。
先に取るか、抗がん剤で小さくしてから取るか、正解はいまでも出てません。
抗がん剤も100%有効なわけではないので、病院に来た時は切れたのに、小さくすることを目指してやった抗がん剤の期間に逆に大きくなって切れなくなる、こんなことも時々あります。
いろんな先生が、いろんな経験と知識をもち、いろんなことを患者さんに伝えると思います。
そんな中、「各治療の利点、欠点を理解し、患者さんの背景を含めて適切なタイミングで適切な治療を提案する、いわば、がん治療の舵取りをしてくれる、偏ってない先生」
そんな先生と出会えた患者さんはラッキーだと思います。
だから、少しでも疑問に思ったら、いろんな先生にセカンドオピニオンに行かれてください。
最後に治療を決定するのはご本人なのだから。
ちなみに、わたしのやっている「がんカテーテル治療」は、手術でもあり、抗がん剤治療でもあります。中間的な感じ。そして、最初から導入することはまずありません。局所効果が高いので、がんが見つかってすぐにカテーテルをすると、確かに小さくなることが多いですが、その後の再発に関して無責任であってはなりません。
わたしの治療は、がん治療の中間期から、それも短期集中に行いその人を元気にして、次の治療に繋げたり、適切な緩和治療に結びつけるのが役割だと思っています。
また、カテーテル治療はどこでやっても同じではありません。
わたしが一番大切だなあと思うのは、技術ではなく(最高の技術は提供して当たり前なんです)、適応、介入のタイミング、そして限界を知っていること、抗がん剤のさじ加減、なんです。
だから、技術のことばかり説明されるカテーテル屋さんがいたら、気をつけてください。
カテーテル治療は、どちらかというと抗がん剤治療のオプションなんです。
だから、わたしは、今は放射線科ではなく、腫瘍内科で働いています。
「がんカテーテル治療」
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