琵琶湖で奮闘
無断転用禁止
これは11月の秋真っ只中のころの話じゃがのう。
この時季はあちらでもこちらでも紅葉の話題でもちきりなのじゃが、ワシの近辺では写欲をそそるような紅葉情報があまり入ってこなくてのう。
そこで今年の紅葉撮影は休止して、何か他に新しいものを探してみるのもいいかもしれぬと思ったのじゃ。
となると、ちょいと気になっている場所があるのじゃよ。
先日、琵琶湖のハスを撮影した時に、もう一ヶ所、別の場所にもハスの群生地があることが分かったからそこを改めてじっくり撮ってみたいのじゃわい。
発見した際にちょいとだけは撮ったのじゃが、あの時は真っ昼間じゃったからのう。
改めて夕暮れ時に撮ってみたいのじゃ。
このところスケジュールに追われているくせに、それには目をつむって、とうとう出かけてしまったわい。
ただ、琵琶湖の湖岸道路には思うように駐車できるスペースがなくてのう。いつも苦労するのじゃ。
この撮影地も現場から離れたところに駐車しなければならぬため、そこから長い距離を歩くのは体力の衰えた年寄りには辛い撮影になるのじゃわい。
車を駐車させてカメラ機材を抱え、ヨタヨタ、トボトボ……。
やっと着いて道路沿いから覗くとこんな所なのじゃがのう。
しかしここからではこれ以外のバリエーションは撮れぬのじゃよ。
なぜなら左へ寄っても樹木、右へ寄っても樹木。下には葦が所狭しと生えていて邪魔になってしまうからのう。
ワシはもっとハスのそばまで行って、様々なバリエーションで撮ってみたいと思ったのじゃ。
ところが水際へ行くまでには年寄りにとって過酷な道のりが待っているのじゃわい。
まず、道路からハスの傍へ行くには急角度のブロックの坂を降りて行かなねばならぬ。
老いさらばえた腰痛持ちがカメラ機材一式を抱えて、そんな坂を歩いて降りられるはずもない。
辺りに人影がないのを見澄まして尻を地面につけ、ズルリズルリ~。
カッコ悪いったらありゃあしない。
やっとのことで降りたはいいが、それからがまた大変でのう。
地面には不安定極まる大きな石がごろごろ転がっていて、おまけに腰まであるような葦やら蔦やらが絡まっている。
うっかりすると足を取られてしまうのじゃ。
ここで転んでしまったらエライことになってしまうわい。
ヨチ……ヨチ……ヨチ……
慎重の上にも慎重を期して小さな歩幅で一歩進んではまた一歩。
何とかちょいとずつ進んで行ったのじゃ。
ところがやっと湖畔までたどり着いても、そこには大きな樹木が立ちふさがっていてのう。
まるでハスなど見えやしない。
どこかに開けたスペースはないものかと、そろりそろりと探してみた結果、何とか見つけたのがこんな所じゃったよ。
開けたスペースといっても、ほんの数メートルの幅があるだけで、足場も悪く、ここに三脚を立てるともう一歩も動くことが出来ぬのじゃ。
こんな状況では様々なアングルの撮影などできるわけがない。
しかし今さら引き返すこともできぬからのう。
こうなったら腹を据えてこのまま撮るしか術がないわい。
ボヤいているうちに日没が迫ってきた。
アングルを変えてあちらこちらから撮影したいのじゃが、こんなに狭いスペースで、しかも足場が悪くては一歩も動くことができぬ。
同じ言葉を何度繰り返したら気が済むのじゃ😠
如何に苦労したかを強調したいのじゃよ。寛容の精神でガマンしてくだされや。
いくら撮っても同じような写真ばかりじゃ。
この辺でそろそろおしまいにするしか仕方がないわい。
もう帰ろうと体を反転させようとしたのじゃが、これがまた至難の業でのう。
足元をほんのわずか動かしながらちょいとずつ向きを変え、やっとの思いで何とか方向転換できた時にはホッとしたものじゃ。
そのあとは薄暗くなった道なき道をヘッドランプを頼りに、三脚を杖代わりにしてソロリソロリと歩いて行ったのじゃわい。
最後の難関のブロックの坂も四つん這いになって何とか登り切り、歩道へたどり着いたときは思わず地面にへたり込んでしまったぞえ。
それでも歩道から最後の一枚をパチリ。
そのうちに何とかもっと楽チンな場所を見つけて傑作写真をものにしてみたいものじゃわい。
フラフラと駐車スペースへ戻る途中で空を見上げると、宵闇の中に2つ3つと星が瞬いていた。
余計なオマケ
駐車スペースの隣に咲いていたコスモス。
懐中電灯で照らしながら撮ってみた。
11月じゃと言うのにこの地方のコスモスは遅いのじゃのう。
長野県・開田高原は8月に見ごろを迎えるのじゃよ。
因みに画面上方の左右に伸びるラインは車のライトに照らされたガードレール。
無断転用禁止
















