真冬だというのに、相変わらず雪が降らんのう。
雪を待っているだけじゃあ退屈じゃから、近所の(と言っても1時間半ばかりの道のりじゃが)ブナ林にでも出掛けようと思っての。
ところが撮影器具やら車中泊用の食料を積み込もうとしたときにとんだハプニングが起こったんじゃよ。
何と、スマートキーが反応しないんじゃよ。
仕方なくスペアキーを鍵穴に差し込んで、ドアだけは開けたけどのう。
いくらエンジンスイッチを押してもウンともスンとも言わないんじゃ。
こうなると80歳を過ぎた老人じゃあ手の打ちようがないわい。
こういう時にはJAFのお世話になるのが手っ取り早いぞえ。
自慢じゃあないが、今までにも年に数回は駆けつけてもらっているからのう。
ところがワシの前に先客さんがあるらしくて、JAFになかなか来てもらえない。
とうとう昼頃になってやっと来て直してくれたが、心配だからディーラーに持っていた方がいいと言われたんじゃよ。
山の中でまたエンスト起こしちゃったら困るから、その足でディーラーへ持ちこんで見てもらったよ。
そうこうしているうちに昼時はとっくに過ぎてしまってのう。今日はおとなしく家に閉じこもっていようかとも思ったが、せっかくその気になってしまっているから今さらやめられない。遅ればせながら出かけたわい。
森への山道を登って行くと、道沿いを流れる渓流に水しぶきが凍ている。
例年ならもっと盛大なしぶき氷が出来ているのじゃが、暖冬のせいかのう、ほんのちょっぴり凍っているだけじゃ。これじゃあ面白くないのう。
秋は真っ赤に紅葉していた渓流沿いのもみじも、今はこの有様じゃ。
まあ冬枯れの枝もこれはこれで何となく風情はあるがの。
(昨年秋はこんな具合じゃった)
さらに遡って行くと霧が出てきた。
道路はちょっぴり積雪しているが、周りにはさらさらないのう。
霧の中をあっちへウロウロ、こっちへウロウロと歩き回っているうちに、辺りはだんだん薄暗くなってきたわい。
昨年秋の台風の爪痕がまだ残っているぞえ。これは大量の雨水が流れた痕跡じゃな。轍を見るとみんなが避けて通っているのが分かるのう。
今日はこんなことで店じまいするとしようか。一杯やって、あとは後ろのベッドルームで寝るだけじゃ。

















