枯れ落葉の撮影を終わると、早々に車を走らせた。
実は帰る途中の道すがらに一本桜があってな。桜と言っても四季桜じゃけどな。
にぎやかに咲くより一本だけの方が、何となく心惹かれるんじゃわい。
ちょうど今日あたりは満開に近くなっているような気がしたんじゃよ。
その前に、先日、アタリをつけておいた雲海の出そうな場所へ寄ってみたわい。
もちろん出たとしてもこの時刻じゃあ消えちゃっているじゃろうが、ちょっとでも痕跡ぐらい残っていないかなと思ってな。
どうじゃろうなあ。何となく霞んでいるように見えるが、雲海らしきものは見当たらないわい。
また来るとするかのう。
さて、桜に逢いに行くとしようか。
着いてみると…。
やっぱり咲いているわい。
撮影していると二人連れのカメラマンが来た。
「テレビ△△」の名札をぶら下げているわい。
二人はいきなり桜の真下まで来ると、カメラを回し始めた。
ほかのカメラマンが遠巻きに撮影しているのにじゃぞえ。
しばらくは我慢していたが、一向に動く気配がない。
とうとう業を煮やして下がってくれと言ってやったよ。
それでも二人は振り返りもせず撮影していたが、もう一度声をかけたらやっとどいてくれたわい。
他人が後方から撮影していることは百も承知しているのにのう。
困った世の中じゃ。
ところでこの桜のそばには大きな柿の木がある。
10数年前にこの柿を撮影した写真がカメラ雑誌に載ってからというもの、全国からカメラマニアがどっと押しかけ、一時は大騒動したものじゃ。
今は落ち着いてきたが、それでも今日も10数人のマニアが三脚並べていたぞえ。
そばにいた人が話してくれたのじゃが、ここ数年は実をつけなかったそうじゃ。
それにしても今年は見事なもんじゃのう。








