3度目の朝が来た。
今朝は霧も出ていない。
夜明け前の空には星が瞬いているぞえ。
いつもの場所に行くと、先客様がいらっしゃったわい。浜松からのマニアらしい。
仲良く並んで三脚を並べたわい。
東の空はうっすらと紅色に染まっている。
雲海も湧きだしているようじゃ。
いよいよワシが追い求めていた状況に巡り合える時が来たかもしれないぞえ。
時間の経過とともに空の紅色は濃さを増し、雲海も谷間全体に湧き出てきたわい。
やがて昇陽とともに雲海にも光が当たり出し、雲海の一部がうっすらとオレンジ色に染まった。
雲海は時間の経過とともに形や場所が変化し、また太陽の移動とともに雲海の染まる場所も変わってゆくぞえ。
ここで問題になるのが頂上辺りに立っている鉄塔の存在じゃ。
風景写真を撮影する者にとっては、これが邪魔なんじゃよなあ。
あとから削除すればいいんじゃない?という声も聞こえてきそうじゃが、
コンテストの規約でそれはご法度なんじゃよなあ。
またこの日のクライマックスに至る一連の写真は、例によってコンテストに応募しなけりゃならんのでなあ、ここで公開することが出来ないんじゃよ。ほんのさわりだけで勘弁しておくれ。
いつものことながら申し訳ないのう。
山の頂上に朝光が差し込んできた。
庭先の樹木にも日差しが差し始めた。
一番鳥
二時間ばかりは夢中になって撮影したかのう。
その二時間というもの、浜松のカメラマンもワシもほとんど言葉は交わさないぞえ。
ひたすらシャッターを押し続けたわい。
一段落ついてから彼は言った。
「車中泊なんてすごいですねえ」
ワシに言わせれば、夜中に浜松から走ってくる方がよほどすごいと思うけどなあ。
前日にゆっくり現地に着き、車中泊でゆっくり眠った方がよっぽど楽じゃわい。
今日の撮影は満足度8割ぐらいかなあ。
じゃが人間の欲なんぞはキリがないぞえ。
まだまだ面白い状況が待っているような気がしてなぁ。
また挑戦してみるつもりでいるんじゃよ。
帰りの道すがらに出会った光芒。











