♪Silent Night〜


今年は59冊の本と出会いました。
気力も視力も、そして理解力も衰えてきて、60代の半分ほどの冊数になりました。

考えさせられ
感動し
おもしろいと思える本がたくさん
ありました。
何冊かはこのブログでも取り上げましたが。

今回はすてきな若者が主人公の作品を紹介します。
あらすじは無しで😅。


 
    

横道世之介 吉田修一


世之介は大学進学のために長崎から上京してきた青年。おっとりしたマイペースな性格の持ち主です。

読み終えてすぐ、かなうなら、わたしも世之介と出会い、素直で悪意のない人柄にふれて幸せな時間を過ごしたかった、と思いました。
大学のサンバサークルの一員としてでも、マンションの隣人としてでも。

明るく温かい気持ちの持ち主なのに、本人は全くそんなことを知らず、周りの人々もどれだけわかっているのかと思うほどの接し方です。
でも、その周りの人々もなかなか魅力的で、意識はしていないけど、きっと彼らも世之介と出会って幸せだったはず。

最後のお母さんの手紙が全てを物語っています。ボートピープルも地下鉄の事故も実際に起きたことと重なり胸がつまりました



おかえり横道世之介 吉田修一


最後にどうなるか、前巻で読んで衝撃を受けていたので覚悟して読み進めたのですが、その場面は静かに語られていました。

むしろ、世之介がどれだけ楽しく暮らしていたか、周りの人をどれだけ幸せにしたか、そちらの方が深く描かれていました。

あえて今風の言葉を使うなら、世之介は「負け組」といえるかもしれません。
そんな世之介がつないだ人と人。世之介が無意識に届けたたくさんの愛情。

最後の隼人の手紙にあった「ただ善良であることの奇跡」そのものの生き方で、世之介は関わった人々に前向きで豊かな人生を届けたのだと思います。そして、いつまでもみんなの心の中で生き続けています。
でも、世之介がもういないと思うと、やっぱり寂しい。



成瀬は天下を取りにいく 
宮島 未奈

この本を読むのを楽しみにしていました。
1行目からおもしろい。読み進めるとさらにおもしろくなり、期待値が上がっていきました。

コロナ禍の高校生活。主人公成瀬あかりは、女子高生にありがちな周りの目を気にする、なんてことは全くなく、どこまでもマイペースで迷いなし。
閉店するデパートに毎日行くと宣言したり、急にМー1を目指したり、つきあった友人の島崎もなかなかの度胸です、ずっと読んでいたいと思うほど痛快でした。

勉強も運動も完璧にこなしていて弱みなんて全くないと思っていた成瀬が、最後の章で島崎が引っ越すと聞いたときの動揺ぶりも逆に好感が持てました。

続編があと2巻。成瀬のこれからが楽しみです。


瀬尾さんの作品はどれも心にしみるすてきなものですが、「夜明けのすべて」「その扉をたたく音」は、加えて登場する人々の考え方や生き方がとても好きでした。この作品で、その『好き』がますます強くなりました。

主人公梨木匠は、人の気持ちが読めてしまうという不思議な力を持った大学生。
はじめのうちはドラえもんTシャツくらいの温かさを楽しんでいたのですが、オムレツ店でバイトを始めてから、横暴な店長とのやりとりやバイト仲間への思いに笑いと切なさが入り混じって、本が閉じられなくなってしまいました。

人の気持ちが読める力より、その人のために自分に何ができるか考え行動する力の方がずっとずっとすごい。

徐々に心を開いていってくれた店長もきっとそう思っているはず。

📚 📖 📝


本の中でも実際の社会でも、頑張っている若い人がたくさんいます。そんな若者を見ると、大人も賢く大らかに接していかなくてはと思います。



今年も拙いブログを読んでくださり、ありがとうございました。

行く年のさまざまなことに思いをはせながら

来る年が皆様にとってよい年でありますようにとお祈りいたします。

どうぞお身体をいたわってお過ごしください。

☕ Cafe 森の風