昨年より8月5日に発酵の日として、発酵に関するイベントをしています。

今年は哲学者の大竹稽さんとお話をさせていただきました。

日頃から、発酵生活は生活に根ざした実践なので、禅に通じるものがあると感じてきました。
大竹さんは哲学者でありながら、お寺で昔、寺小屋をしていたような使われ方をもう一度地域の方とできないかと活動されており、禅にも理解があり、お話をしていると共感できるところが多くありました。


発酵に関して言えば、発酵作りの方法は知識で、それを季節や食材、必要に合わせて発酵・保存させていくことは知恵だと伺いました。

私の考えとしても、発酵は栄養を取る目的もありますが、本来は「保存・分解・活かす」だと思っています。


◎保存は季節にたくさん採れたもの備蓄、塩(ミネラル)の保管など。

◎分解は、食材そのままであれば毒素のあるものを微生物によって分解して無害化させること、分解によって新たな成分を生み出す事。

◎活かすは、本来捨ててしまうものを発酵によって新しい形にして、あますことなく活用すること。

これらのことは、知恵だと思うのです。
作る手順は知識として入りますが、実践を伴って初めて生活の中で恩恵を受けます。


今回、発酵哲学ということだったので、発酵についてお話をすることが多かったのですが、終わってみて、一番心に残ったのは大竹さんがパスカルを引用しお話してくださった『葦』の話でした。


『葦は強い風が吹くと身をまかせてしなり、逆境のなかで、一見屈服したように見えるけど、根はしっかりと支えており風がやむと元に戻る強さがある。
日本人にはもともとそんなしなやかさ、強さがあり、外国からみるととても素晴らしい精神性と思われるのです。』

葦を通して、人間への「比喩」として説明をしてくださり、感銘を受けました。


葦はヨシとも読み、夏の日差しを遮ってくれる「よしず」の原材料に使われるものですね。
福井県か金沢県だったでしょうか、日本海の海から吹く寒風はとても強いものがあり、それを葦原群があるおかげで家々が守られると聞いた事があります。


「葦」を見てみると、大祓詞にも『豊葦原瑞穂国』とでてきますね。
日本国のことです。
皇御孫命(すめみまのみこと)・瓊々岐命(ににぎのみこと)に、豊葦原の水穂の国・日本の国を安穏で平和な国として無事に統治なさるようにと委託された内容ですね。


最近、石垣島に移住されたYaccoさんという気づきなどを伝えるイベント企画をする方がいるのですが、Yaccoさんはとても「情」を大切にされる方で、数学者の岡潔さんの本を紹介してくださいました。

その本で『葦牙(あしかび)』という言葉がでてきます。
葦牙とは、葦の若芽のことですが、まっすぐ早く生長することから古事記の中にも引用される言葉のようで、古事記に(青人草)(人草)と言う言葉がある事などから、神も人も草から出てきたと訳す方もいます。


今回の講座から『葦』を少し考えてみようというきっかけをいただきました。

ご参加してくださったみなさま、講師の大竹さん、主催してくれた二宮さん、8/5を共に過ごしてくださり、心から感謝を申し上げます。


ありがとうございました。

明日は、高野山の水のことを書きたいと思います。