2025年美術館・博物館巡り第一弾。

 

昨年、その魅力の虜になった皇居三の丸尚蔵館。

 

その名の通り、皇居の江戸城址の三の丸跡にある美術館で、皇室から国に寄贈された9,800点に及ぶ美術品・工芸品を管理・展示し、様々なテーマに沿った展覧会が開催されています。

 

"尚蔵"とは、律令制時代に三種の神器などを管理した役所"蔵司"の長官の意味です。

 

今回送るのは、新年に開催された展覧会"瑞祥のかたち"の風景。

*開催期間:2025/1/4〜3/2

 

◆皇居三の丸尚蔵館◆

瑞祥のかたち

*観覧料¥1,000

 

蓬莱山や鶴や亀、鳳凰といった、おめでたい兆しを表す"瑞祥"をテーマに、46点が展示されました。

 

宝船「長崎丸」

作:江崎栄造

 

長崎県の伝統工芸、鼈甲細工の宝船です。

 

船首に鳳凰、帆に鶴を掲げた宝船が長崎の特産品を積んでいます。

 

大正5年(1916)、大正天皇福岡行幸の際に長崎県から献上されました。

 

二見浦旭日波濤図

作:土佐光貞

 

伊勢の二見浦の夫婦岩と巨大な朝陽。

 

江戸時代後期の作品です。

 

蓬莱雲鶴蒔絵書棚

作:六角紫水

 

不老不死の仙人が住むとされる蓬莱山。

 

蓬莱山と鶴の群れが蒔絵で描かれています。

 

大正6年(1917)、裕仁親王(後の昭和天皇)から大正天皇に贈られたものです。

 

蓬莱山絵巻 上巻

作:不明

 

室町時代に成立した御伽草子「蓬莱物語」を江戸時代中期に絵巻にしたものです。

 

蓬莱山は6匹の亀の甲羅の上にあり、財宝で出来た楼閣がある、鳳凰や麒麟が住む理想郷。

 

ところで、

 

国宝を始めとした文化財満載の展覧会にも関わらず、一部を除いて撮影可で、事前のWEB予約で図録が¥1,000→¥700で購入出来るという点も魅力のひとつ。

 

蓬莱山

作:横山大観

 

蓬莱山に住む神鹿と楼閣の上を舞う鶴、そして朝陽が描かれています。

 

昭和3年(1928)、昭和天皇即位を祝い、久邇宮邦彦王妃より贈られました。

 

松鶴延齢図

作:今尾景年

 

すくっと伸びる松と鶴の親子。

 

長寿と子孫繁栄の想いを込めた作品です。

 

大正13年(1924)、皇太子(後の昭和天皇)のご成婚を祝って献上されました。

 

寿老人鶴亀図

作:橋本雅邦

 

横山大観らを育成した"近代日本画の父"、橋本雅邦の作品。

 

明治33年(1900)、嘉仁親王(後の大正天皇)のご成婚を祝って宮内省職員一同から献上されたものです。

 

岩上鶴亀

作:加藤龍雄

 

"鶴は千年、亀は万年"という中国の伝説により、日本でも長寿の象徴とされる鶴と亀。

 

優美な波が打ち寄せる岩の上に鶴と亀が佇んでいます。

 

大正13年(1924)、裕仁親王(後の昭和天皇)のご成婚を祝って献上されました。

 

岩上亀

作:加藤龍雄

 

大正14年(1925)、大正天皇大婚25年を祝して贈られたものです。

 

今にも動き出しそうです。

 

鶴巣籠置物

作:五代 清水六兵衛

 

鶴が巣で卵を温めている姿を描いた作品。

 

昭和8年(1933)、昭和天皇京都行幸の際に献上されました。

 

白磁麒麟置物

作:12代 酒井田柿右衛門

 

伝説上の瑞獣、麒麟。

 

昭和3年(1928)の昭和の大礼に際し、佐賀県が献上したものです。

 

狂獅子置物

作:不明

 

神仏を護る聖獣、獅子が戯れています。

 

明治24年(1891)に宮内省が購入し、霞ヶ関離宮の装飾品として用いられていました。

 

花盛器

作:熊谷政次郎 他

 

大正14年(1925)、大正天皇大婚25年の際に大阪市が献上したものです。

 

制作は尚美堂宝飾店が手掛けました。

 

 

鉢台には四神、鉢の耳には鳳凰、胴には雪の松が象られています。

 

朝陽鳴凰之図

作:小室翠雲

 

瑞獣である霊鳥、鳳凰。

 

つがいの鳳凰が雲海から顔を出す朝陽を眺める姿を描いた、雄大なる作品。

 

大正14年(1925)、日銀総裁から贈られました。

 

凰置物

作:二代 海野美盛

 

羽や鱗の緻密な造形が見事な作品。

 

大正14年(1925)の大礼に際し、華族一同を代表して、徳川宗家代16代・徳川家達が献上しました。

 

動植綵絵 老松白凰図

(国宝)

作:伊藤若冲

 

白い鳳凰がダイナミックに描かれた国宝絵画。

 

明和3年(1766)頃に描かれた作品で、明治22年(1889)に相国寺から献上されました。

 

桐に鳳凰之図

作:川端玉章

 

つがいの鳳凰が描かれ、その背景の山の右手には昇りつつある朝陽。

 

明治33年(1900)、嘉仁親王(後の大正天皇)のご成婚を祝して献上されたものです。

 

七宝鳳凰図暖炉前衝立

作者:不明

 

表面に岩上の鳳凰が描かれ、もう一面には深紅の旭日が描かれています。

 

 

大正14年(1925)の大礼に際し、名古屋市が献上したものです。

 

日出処日本

作:横山大観

 

昭和15年(1940)、紀元二千六百年奉祝美術展覧会に出品された作品。

 

霊峰富士山、雲海の上には紅く輝く朝陽。

 

展覧会後に横山大観の希望で、昭和天皇に献上されました。

 

 

皇室が所有していた美術品・工芸品などの文化財"御物"の多くは戦後、国有財産に移されます。

 

その後も皇室の私物として残った"御物"が昭和天皇の崩御後、国に寄贈される事となり、それらを収蔵する為に、尚蔵館は平成5年(1993)に開館されました。

 

そんな尚蔵館ですが、5/7から来年秋まで新施設建設に伴い休館となります。

 

再開を心待ちに…