山口漫遊2日目の宿へ。
2本の川に囲まれた巨大な中州、萩。
東の松本川の近く、港町浜崎地区の元遊郭の旅館に泊まりました。
威風堂々な門構え。
◆芳和荘◆
(萩市指定景観重要建造物)
門柱に架かる看板の鉄装飾が小粋。
突如ここだけ時代が逆回りしたかの雰囲気。
鄙びつつも堂々たる存在感。
裏側には勝手口の様な玄関。
それでは、
軽い緊張感と共に入館です。
気さくで元気で男前な初老のご主人がお出迎え。
まるで親戚の叔父にでも会いに来た気分になり、旅の疲れもほぐれます。
この日の宿泊者は私のみでした。
(コロナの影響大です…)
部屋は2階。
その2階に上がって飛び込んできた光景…
中庭を回廊が囲む、THE遊郭な光景。
大正初期築造の100年建築。
廻船業や漁業で栄えたこの東浜崎には、明治時代に花街が形成され賑わったそうです。
木々はご主人自ら手入れしているそうです。
ここで育ったご主人、石灯籠を吊るして移動させた思い出話とかも語って下さいました。
時代も変わり、戦後に売春防止法が施行されると、多くの遊郭が旅館業へ転業します。
そんな最中の昭和30年代、先代がこの建物を譲り受け、旅館業を始めます。
そして、
今では、ご主人が一人で宿を営みここで生活をしています。
築100年超とは思えぬ綺麗な廊下。
"コロナで宿泊客激減だけれど、やる事がたくさんあるから"と仰るご主人。
欄干には"ちょうしゅうらう"の透し彫り。
"長州楼"、かつての屋号だそうです。
部屋は4畳半の鄙びた和室。
TVが…一応、地デジチューナー外付け。
階段下の下駄箱。
デッドスペースの有効活用ですね。
お風呂は普通の沸かし湯ですが、なかなか凝った岩風呂でした。
因みに、トイレも共同です。
(水洗ではなかった)
夜の帳が下りて…
艶やかに照らされる長州楼。
物音ひとつしない静かな夜。
廊下に佇んでいると、建物の記憶に吸い込まれそうな錯覚を覚えます。
ご主人とまったり世間話を交えつつ、沈黙に浸る。
夢で宿の記憶が触れてくる事を期待して…
翌朝。
あっという間にお別れの時間。
お子さんは首都圏に住んでいるそうで、今のところ後継ぎはいない様子。
ご主人と宿を見ていると、まるで建物がご主人を優しく包み込み、それをご主人が温かく受け入れている…まるで一心同体、2つで1つ、そんな風に感じました。
そう遠くない将来、後継ぎや老朽化の問題が深刻化する事でしょう。
けれど、この建物はご主人と共に最期を迎えるのが相応しいのかもしれない…
勝手ながらそんな事を思いつつ。
宿を後にして、漫遊最終日の始まり。
続く。
=======宿泊情報=======
ANAじゃらんパック利用(一泊食事無し/1名):¥31,400
じゃらんクーポン利用:¥1,200
じゃらんポイント利用:¥9,400
差引計:¥20,800
<参考>
単独予約(一泊食事無し/1名):¥5,500


















