その土地に根ざした八幡神社を探して、参拝するのも旅の楽しみ。

 

歴史ある町には必ずと言っていい程、立派な八幡神社があるものです。

 

で、この浜松にも。

 

浜松の地名の由来にまつわる伝承が残る浜松八幡宮です。

 

浜松駅から遠州鉄道で数分、その名も八幡駅を下りてすぐの所に鎮座しています。

 

普通の市街地の中、鬱蒼と茂る森に囲まれています。


 

見事な並木の参道を抜けると、威風堂々たる御社殿。

 

 
御祭神は応神天皇・神功皇后・玉依比売命。
 
この神社では古来、玉依比売命をお祀りしていて、当初は許部神社と呼ばれていたそうです。
 
それが後に、源"八幡太郎"義家が八幡二柱を勧請して、八幡宮となったそうです。
 

 

御本殿を見上げる。

 

 

"浜松"と言う地名ですが、まだ許部神社であった頃に神託により現在地に遷座する事になり、松を携えた老翁(が、実は白狐)が遷座地へと導き、到着するとその松を植えた…

 

なので、"浜松"と。

 

だからか、境内には100本以上の松が植えられているそうです。

 

ただ、当時の遺跡から発掘された木簡には"濱津"と記載されていて、それが転じて"ハママツ"になったという説の方が有力のようです。

 

"松"か"津(=港の事)"か…

 

もし、"津"なら、沼津に焼津に濱津に、静岡は"津"のオンパレードですね。

 

そして、浜松八幡宮で有名なのが、こちらの御神木。


 

天然記念物にも指定されている雲立ちの楠です。

 

この楠には2つの伝承と呼び名が残されています。

 

ひとつが、源義家が参拝した際、旗を木の下に立てた事に由来する"御旗楠"という呼び名。

 

もうひとつが、三方ヶ原の合戦で武田信玄に破れた徳川家康が、この楠の根元の洞に逃げ込み難を逃れた際、武運を祈願したところ、楠の上に雲が立ち昇った事に由来する"雲立ちの楠"という呼び名。

 

どちらも、出世城のお膝元だけあって、運気上昇には景気が良い伝承ですね。


 

今も根元の辺りがぱっくりと割れていて、洞になっています。

 

様々な伝承を生むだけの存在感。

 

杉や銀杏もいいですが、楠もダイナミックでいいですね。

 

ここから先は虫の話。

 

境内で発見して感動したのが…クマゼミ!


 

南方系の蝉で、関東(都市部)では、まずお目に掛かれない。

 

東海から九州まで、主に太平洋側の温暖な地域に生息している大きな蝉です。

 

関東で蝉と言えば、"ジィージージー"のアブラゼミ(茶色いのヤツ)と"ミンミンミン"のミンミンゼミ(薄いグリーンのヤツ)ですが、これが東海地方や山陽、四国、九州だと、圧倒的にこのクマゼミが目立つのですよね。

 

鳴き声は"シャシャシャ"とか"ジュジュジュ"?

 

図体だけでなく、声もデカい!

 

蝉は種類によって、その時期や時間によって活動範囲が住み分けられていて、耳を澄ませば、日本ならではの風情を感じられますよね。

 

この感覚、西洋人の耳(脳?)では得る事が出来ないそうです。

 

虫の音を雑音としてしか認識しないとか。

 

夏の夕暮れのヒグラシの鳴き声とか、無性に郷愁感を誘いますけどね。

 

ところで、蝉も長い年数を幼虫として地下で過ごし、最後の1週間に子孫繁栄の為だけに成虫となり、地上に出てくる訳ですが、そんな姿に生き物の本質や儚さを感じてしまいます。


 

良いお参りでした。

 

御朱印です。


 

旅は、もうひとつの遠江一の宮へと。

 

続く