もう本当に、自分がイヤになりました。


今からお話しするのは、すべて完全なノンフィクションです。

あまりにコントみたいな話なので、「絶対作ってるよ!」と

思われそうなんですが、まったくの本当にあった話であり、

一切の脚色をしておりません。


ただ、自分の名誉のために言わせてもらうなら、

この際、すべてが「完璧な作り話だった」ということに

させてもらいたいぐらいです。だって、もしこれが本当の

話だったら、僕の人生、あまりに不憫すぎるんですもの。


僕はその日、すべての番組の会議が一通り終わったので、

久しぶりに体でも動かそうと思い、某スーパーの屋上にある

フットサルコートに行こうとしていたんですね。


ただ、開始時間までは、30分ほど時間があったので、

スーパーの1階にあるフードコートで、パンなんかを

食べながら、パソコンを広げ、仕事をすることにしたんです。


そこは、地元の団地の人しか買いに来ないような

超ローカルなスーパーのショボいフードコートなんですが、

一丁前に大きなクリスマスツリーが置いてあったりして、

BGMには素敵なクリスマスソングが流れるような、

「クリスマスなんてものを考えた人を一発ぶん殴りたい」と

考えている僕には、居心地の悪い空間だったんですが、

そんなことで、いちいちセンチメンタルな気分になっている

余裕なんてないんで、平常心で仕事をしていたんですが・・・。


そんな僕の頑張りを、神様が見ていたんでしょうか。

めちゃくちゃカワイイ女子高生の女のコが、僕の隣の席に

座り始めたのです。うっかりしたら、パンチラの一つも

撮影されそうなムッツリ顔の僕の隣に、女子高生ですよ!


「たまには場所を変えて仕事をしてみるもんだ!」。


そう思ったのも束の間、今度はその女子高生の正面に

明らかにチャラ男風の男が、サンドイッチ片手に座りました。


「ねぇ、ミユおなかすいてんだから食べさせてよぉ!」

「えー、俺が買ってきたんだよ。自分で買ってこいよ!」

「もうズル~い! 食べさせてったら食べさせて!」

アハハハハ♪ アハハハハ~♪


イライラすんぞ、コノヤロー!


なんということでしょう。ムーディーなクリスマスソングが

流れちまっているフードコードで、まさに青春真っ盛り、

スーパーラブラブ状態を見せつけてくれた女子高生と

チャラ男のカップル。


おい、オマエら。少しは気を使えや、コノヤロー!

隣に座ってパソコンを広げている男の顔面を見てみろ!

な? わかるだろ? 今年も俺には、クリスマスが来ねぇんだ。

クリスマスに、夢や希望なんて、カケラもねぇんだよ!


サンタさんは、お父●んだ、バカ!!


それに、どうしてこんなにカワイイのに、こんなチャラ男と

付き合ってんだ! そんなチャラ男と付き合うぐらいなら、

いっそのこと、この僕と付き合った方が楽しいぞ?


お兄さん、お金持ってるし。

しかし、世の中の女子高生の多くは、男に求めるのは

お金じゃありません。僕みたいな加齢臭が出始めている

魔法使いの男なんて、「年齢的に無理!」と言われるに

決まっているんです。あなたもそう思うでしょ? ・・・えっ!?


「顔面的に無理」。


・・・おぉ。・・・それは、ドMの僕としては「褒め言葉」として

受け取っていいんでしょうか? そうじゃないと、これから

生きていく勇気が出ませんからね。


えぇ、わかっていますよ。一応は自覚しているんです。

抜群にカワイイ女のコを見ると、「あぁ、あんな女のコと

付き合ってみたいなぁ」って反射的に思ってしまいますが、

こんな女のコと付き合える確率は、限りなくゼロに近い。

ましてや、今、目の前にいる堀北真希ちゃん似の

女子高生と付き合うなんて、よっぽどの奇跡が

起こらない限り、150%無理なんです。


そう、その奇跡っていうのは、例えば、このカップルが

突然、ヤンキーか何かに襲われ、ビックリした彼氏が

彼女をほったらかして逃げだし、そんなところに僕が

救世主のように登場するわけですよ。


そして、1人で5人ぐらいのヤンキーを圧倒的な強さで

ボッコボコに撃退したかと思うと、泣いている女子高生に、

「大丈夫?」みたいなことで手を差し出したりなんかして。

その瞬間、堀北真希似の女子高生、僕にフォーリンラブ!


しかし、世の中、そんなうまい話があるはずありません。

だいたい、今の時代に、そもそもヤンキーなんてものが

存在しませんもの。


こうなったら、いけない妄想にフケる前に、他人の彼女の

女子高生なんかには目もくれず、今、目の前にある仕事に

集中するべきです。いかんいかん、集中だ、集中・・・!


カタカタカタカタカタカタカタ・・・。


せつない気持ちをキーボードにぶつけ、信じられない

スピードのタイピングを披露する僕。・・・と、その時です。


スーパーミラクルが起こりました。

なんと! なんとなんと! まさにマンガに登場するような

ヤンキーが突然、チャラ男の前に現れやがったのです。


「おぅ、木村ぁ、何やってんだよぉ。」


完璧にフリーズしちゃってるチャラ男、改め、木村君。

わかるよ、木村君! 僕はキミの気持ちが痛いほどわかる!

もしかしたら、この世で一番、木村君の気持ちがわかって

あげられるのは、僕かもしれないとさえ思う。


だって、僕、ヤンキーにシメられた

回数で「ギネスブック」に載る自信が

あるんだもん!

木村君さぁ、今、胃がキューッとなっちゃってるでしょ、ねぇ?

しかも、堀北真希似の彼女と一緒にいる時に、この展開は

最高にヤバいよね。これ、ドラクエで言ったら、まだそんなに

レベルが上がってないのに、ちょっとした好奇心で遠くまで

行ってみたら、見たことないぐらい強い敵が出てきちゃって、

画面が全体的に茶色くなっちゃった時ぐらいヤバくね?


すると、「行こっ!」って言い出したのは、彼女の方でした。

こういう時、意外と冷静な対応をするのは、いつだって

女性なんですよね。まだ16歳とか17歳ぐらいの彼女、

抜群にカワイイのに、しっかりしていますよ。


だが、しかーーーしっ!!

彼女は甘い。ヤンキーってのは、半端なくしつこいんだ。

一度からんできたら、場所を変えてもついて来るんだよ。

逃げれば逃げるほど、追いかけてくる。それがヤンキー。

ほらっ、さっそく・・・。


「おい、どこ行くんだよ、キムラァ!」

この場合の正しい対処法は、とりあえず、「このヤンキーの

お兄さんと遊ぶことにした」と言って、大至急、彼女を家に

帰すことです。あとで彼女がいなくなったところで土下座でも

何でもすればいい。とにかく、彼女の前でカラまれた日にゃ、

マジですべてを失うと思った方がいい!


立ち止まる木村君。堀北真希似の女子高生もまた、

チャラ男の木村君に合わせて、立ち止まりました。


「ねぇ、行こうってば!」と、カレを引っ張る女子高生の彼女。

しかし、この状況は完全に木村君には逆効果です。

ヤンキーと彼女の挟みうちに、追い詰めるだけですもん。


あー、もう、見てられねぇ!


その時でした。なんと、バタンとパソコンを閉じ、

ヤンキーに向かって歩いていく勇敢な男がいました。


そうです。ヤンキーに向かって歩いていった勇敢な男とは、

中学時代、体にシンナーをぶっかけられ、燃やされそうに

なるという修羅場 まで経験した、伝説の男!


どうも、こんにちは。ちだいです。


はっきり言わせてください。僕が中学時代にシメられていた

ヤンキーの皆さんは、世界トップクラス、最凶にして最狂の

マジでヤバい人たちでした。イスラム過激派組織の皆さんと

危険度が互角。そう言ってもいいかもしれないんです。


すなわち、木村君が襲われているヤンキーなんて、

僕から言わせたら、単なるお子ちゃまに過ぎません。

だって、スーパーに危険なものを持ち込んでない時点で、

ちゃんと常識があるヤンキーだと思いますもん。


僕がシメられていたヤンキーの皆さんなんて、

近所の2階建てのスーパーに単車で乗り込み、

スロープ型のエスカレーター逆走してるんですよ?

スーパーの中にある某ファーストフード店「M」に、

そのまんま単車で乗りつけ、「ドライブスルー」とか

おっしゃってしまうような、天才的なヤンキーですよ?


キミとは次元が違うんだ。

ここからの僕は、まるでスーパーヒーローのようでした。

ヤンキーをまるで恐れる気配も見せず、カップルの前に

立ちはだかると、「カワイイ女のコの前で、テメェら、

何してやがんだ!」と叫びました。


・・・が!!


久しぶりのヤンキーとの対面に、やや緊張していたのと、

啖呵を切った瞬間に、若干、リキんでしまったこともあり、

ケツから出てはいけないものが出てしまったんですよね。


幸いにも、固体ではなく、気体の方ではあったんですが、

ヤンキーに向かって立ってますから、僕の後ろにいたのは

当然、カップルの方なんですが、特に彼女だったんですよ。

そんでもって、最悪な時には最悪が重なってしまうのが

僕という男の運命ってヤツで・・・。


この日の前日、「青森の峰不二子」と呼ばれる女性から、

かねてからお願いしておいた、あるものが届いたんです。

そのお願いしておいたものっていうのは!


チダイズム~毎日誰かを笑わせるブログ~-アイヤホイヤ85


大量の鮭とば。


「鮭とば」とは、鮭を乾燥させた燻製のような食べ物で、

やや生臭いものの、酒のつまみにはピッタリの一品。


僕はあんまりお酒を飲まないんですが、青森に行った時、

この「鮭とば」の味に魅了され、去年からずっと完成したら

送ってほしいとお願いしておいたのです。そして、昨日は

その「鮭とば」が届いたばっかりということで、食べ過ぎて

脱水症状を起こすんじゃないかっていうぐらい食べまくり、

最終的に、どうなったのかと言いますと・・・。


核兵器並みに臭い屁が

出るようになりました。


たぶん、この時に放出した屁が、僕の人生の中で

一番臭かったんじゃないかと思うんですけれども、

その屁を完璧すぎるほどダイレクトにくらったのが、

堀北真希似の抜群にカワイイ女子高生でした。


自分でも、そんなのあるはずないって思ったんですが、

この後、何が起こったって、そのカワイイ女子高生、


しゃがみ込みました。


マジで、お詫びに死のうかと思いましたよ。

そんでもって、数秒後には彼氏も一緒にしゃがみ込み、

それからさらに数秒遅れて、ヤンキーにも伝わりました。


「うぅわ、くっせ!!」

とってもナイスリアクションな高校生ヤンキー。

「オエーッ!」とか言いながら、どっかに行きました。


しかし、気づけば殴り合うこともなく、見事にヤンキーを

撃退していた僕。すかさず、カップルに「大丈夫?」と

手を差し伸べたら、まさかの答えが返ってきました。

女子高生の彼女、ものすっごくかすれた声で・・・、


「大丈夫じゃないです!」。

・・・ですよね。・・・そうですよね。

だって、自分でも「人間って、ここまで臭い屁が

こけるもんなんだ!」って思っちゃったぐらいに

臭かったですもん。この屁で「ギネス」が狙えましたよ。


でも、ヤンキーから助けてあげたことには変わりない!

もう少し感謝されてもいいんじゃないかと思・・・・・・・・。


改めて、くっせー!!


マジで、この臭さは事件です。

そんなわけで、スーパーヒーローのようにカップルを助け、

そしてまたスーパーヒーローのように名前を名乗らずに

カッコよく帰っていった僕でしたが、そのフードコートには

営業妨害になりかねない、ニオイだけが残ったそうです。


さて、あと1週間ほどでクリスマス。

僕と一緒に、クリスマスを過ごしてくれる人はいませんか?

もし、この世のどこかに、そんな人がいるのだとすれば、

僕はこれから、しばらく「鮭とば」を食べるのを我慢します。

本当に本当にありがとうございました。