まいど~![]()
生きもの大好き
絵本講師の くが やよいです![]()
子どもの頃、夏休みになると
岐阜の祖父母の家に一か月ほど遊びに行きました。
夏休みの終わりには、
「まー えらい。」(もうしんどくてかなわん)と毎年言いながら、
必ず翌年の夏休みになると「遊びに来んのか」と言ってた祖父。
待ちきれずに 私たち姉妹を迎えに来ることもありました。
今でも ヘビースモーカーだった祖父の
煙草の匂いと分厚い手、ハゲあたまを思い出します。(じーちゃんごめん)
岐阜での夏休みは、ラジオ体操から始まり、
朝顔の観察、
金華山に登ったり、
リス村でリスにエサをあげたり、
チンチン電車に乗ったり、
長良川の河原を散歩したり、
長良川で泳いで日焼けして真っ黒になりました。
中日新聞社の長良川花火大会を
夜、家の前の道路に椅子を並べて見たり、
盆踊りに行ったり、スイカを食べたり。
風鈴の音と わらびもち売りの声。
おいしかった祖母のごはん。
台所のお味噌汁の匂い。
祖父が好きで、居間のテレビで流れていた高校野球。
夏休みの宿題をしていたテーブルにかかっていた
レースのカバーの模様。
夜は、祖母が団扇であおぎながら、昔話や
昔飼ってた馬の話、ほかにもいろんな話をしてくれました。
楽しかった夏の思い出が今も溢れてきます。
祖父は、昔は厳しい人だったらしく、
(学校の先生で、最後は真冬でも乾布摩擦と裸足教育で有名な幼稚園の園長先生だったそう)
私はいたずらっ子でしょっちゅう祖父を怒らせました。
どんなことで怒られたかはもう忘れてしまいましたが、
怒られる寸前に出る祖父のセリフが
「まー あかん!!」
でした(^_^;)
すっかり忘れていたけど、連続テレビ小説の「半分、青い。」の中で
仙吉さんか宇太郎さんが、岐阜弁で
「まー あかん!」って言っているのを聞いて
「あー、岐阜のおじいちゃんと一緒!」と懐かしく思い出しました。
本当によく悪さをして、叱られました。
普段は温厚だった祖父の逆鱗に触れるなんて、
いったい何をしでかしたのでしょうねσ(^_^;)
押入れに閉じ込められたり、
夜のベランダに締め出されたり。
かわいそうに、妹まで巻き添えを食って、
一緒に蚊に刺されながら寝かかってると、祖母がそっと鍵を開けて中に入れてくれました。
そんなことがあっても、大好きな祖父母でした。
(私が子ども好きなのは、この祖父の血ちゃうかなーと思っています)
「半分、青い。」のドラマの中で仙吉さんが亡くなりました。
幸せな気持ちのまま、亡くなっていった仙吉さん。
「あっ、この本のおじいさんとおんなじや」と思いました。
『夏の庭』 湯本香樹実 (新潮文庫)
娘が6年生の時に
「今まで(読んだ本の中)で一番よかった....」と言っていた小説。
(娘はそう言ったことを覚えてないと思うけど(^_^;)
中学受験を控えた3人の少年とおじいさんの物語。
ある目的で、荒れ果てた一軒家に住む
一人暮らしのおじいさんを見張ることになった少年たち。
日を重ね、少年たちが行動を起こすことで
おじいさんと少年たちの関係が次第に変化して行きます。
ここでは詳しくは書きませんが
気が付いたときには、おじいさんは、
少年たちにとってかけがえのない存在になっていました。
きっと、そのおじいさんにとって、少年たちもまた。。。
それは、そのおじいさんが亡くなったとき、傍に置かれていた
「あるもの」が示しています。
窓はほんの少し開いている。網戸ごしになかをのぞくと、布団の上におじいさんは横たわり、
薄い夏がけをかけたおなかの上で両手をゆったりと結んでいる。ぼくたちは、そろそろと網戸を開けた。
「オレの勝ち……」山下がささやいた。でも次の瞬間、ぼくたちは同時に気づいていた。
奇妙なくらいはっきりと、体の奥で感じとっていたのだ。
眠っているんじゃない。
その部屋を満たしていたあまい匂いの正体。
それは、おじいさんの少年たちへの思い。
分かち合える人がいるということの証。
ひ孫のかんちゃんのぬくもりを感じながら亡くなっていった仙吉さんと、
「それ」を分かち合える人がいる喜びを感じながら
亡くなっていった『夏の庭』のおじいさん。
同じだ・・・・と思いました。
作者の湯本さんは、文庫版の「あとがき」でこんな風に書かれています。
・・・(中略)祖父が死んで、二十年以上もたって、ようやく私は祖父を「あの世の知り合い」と言えるようになりました。
この物語を書こうと思いたったのは、忘れようとばかりしていた祖父と、もう一度出会えたからだと思います。
私は、祖母の家のいそうろうになって、祖父の仏壇の部屋で、この物語を書きました。
私はそれまで、仏壇の部屋で眠るのはこわかったのですが、今ではもうそんなことはありません。
原稿を書いているあいだ中、夜には布団の中からおじいちゃんの遺影を見上げて「あしたもがんばるからね」と眠りにつきました。
そうしてとてもやさしい、いい夢を見ました。
たまらなく心が揺さぶられる物語。そして、素晴らしいラスト。
(ここに書きたいけど、、読んでほしいので書きません)
ひと夏の少年たちの心の成長を感じる
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