Rationalizing Online Romance Fraud: In the Eyes of the Off es of the Offender
オンラインロマンス詐欺の正当化:犯人視点
Jonathan Nii Barnor, Richard Boateng, Emmanuel Awuni Kolog, Anthony Afful-Dadzie
この論文は、マーケティングのフレームワーク、MOA(Motivation:動機, Opportunity:機会、Ability:能力)と、犯罪の正当化というこ事柄について、実際に国際ロマンス詐欺に手を染めている情報提供者10人ほどに対し45分ほどのインタビューし、また法的機関などからの確認も実施した上でまとめたものです。今回はMOAフレームワークの『正当化』について、論文からご紹介します。
国際ロマンス詐欺犯人の『正当化』:サイバー犯罪は殺人や強盗などの伝統的ほど悪いものではない、海賊版をダウンロードして使うのと同じだ。搾取された歴史があるから自分たちは豊かな外国人を利用してお金を得るのは間違いではない
個人がどのような動機で、どんな能力を使い、どんな環境を好機ととらえてサイバー犯罪に及んだのかをガーナの大学の研究論文を通してみてきました。犯行グループは貧困や失業を理由に、そしてステータスや豊かな生活を求めて、そして仲間に誘われて犯罪に加わります。彼らは社会的能力も技術的能力も持ち、そして警察より進んだテクノロジーを使う環境をもっています。この「正当化」のセクションでは、犯人たちが国際ロマンス詐欺犯罪をどのように正当化しているかについて論じています。
個々の国際ロマンス詐欺師が言う違法行為の正当化の理由は様々です。ここで注意すべきなのは『動機』と『正当化の理由』は異なるということです。例えば貧困(経済的ニーズ)は犯行に及ぶ『動機』『原動力』になるでしょう。しかし違法な行為を正当化する理由は別にあります。データに基づいた証拠から、この種のサイバー犯罪の被害者の多くは経済的に安定した欧米人で、ロマンチックな関係を求めている。調査に協力した犯罪者のひとりは、『被害者はお金持ちであり詐欺にお金を騙し取られても困ることはない』と考えていると答えたそうです。
別の情報提供者は、『オサマ・ビン・ラディンの攻撃で使われなくなった人のクレジットカードを使っているんだ。奴らはクレジットカードと一緒に死んだわけじゃない』ということを信じているそうです。これはどういうことかというと、911同時多発テロ事件で亡くなった方々のクレジットカードのお金を使っているのであり、誰のお金も盗んでいないのだという意味です。(意味不明ですね…)
さらに、彼ら国際ロマンス詐欺師たちは強盗や殺人のような伝統的な犯罪に比べると国際ロマンス詐欺は悪いものではないと信じています。
研究者たちに回答した詐欺師の一人は、『裁判官に犯罪だと断定されない限り誰もおれを犯罪者だとは言えない』と述べています。彼の視点では、サイバー犯罪は誰にも知られずにできる普通の活動だということです。
彼らの感覚では、国際ロマンス詐欺は海賊版の動画をダウンロードすることと同じです。彼らは『海賊版のビデオをダウンロードしてお金を払うか? そいつを犯罪者と呼ぶか? 』とまで言います。(彼らは、海賊版をアップロードした人が悪いのであり、それをダウンロードする側には罪はないという認識)
国際ロマンス詐欺犯人たちは、殺人や強盗など古代からある犯罪(伝統的犯罪)は悪いものだと認識しています。しかし、サイバー犯罪は罪のないものだという認識なのです。そして、国際ロマンス詐欺被害者たちは貪欲で、だまされやすく、 詐欺だと気づくのが遅い無知な西洋人であり、そのような被害者たちをを利用することは問題がないと思っています。なぜなら、奴隷貿易の時代に西洋人によって彼らの先祖が搾取されたと考えているからです。
この論文では被害者=西洋人としていますが、実際には人種や国籍問わず被害に遭っています。日本人やほかのアジア人専門に狙う国際ロマンス詐欺団もいます。彼らの感覚では『自分達は先祖の時代に搾取された。だから人種国籍問わず他の文化圏で自分達よりお金があって良い生活をしている奴らを騙すのは悪いことではない』といったところでしょう。
(続く)
