2018年12月に『確証バイアス』について書きました。確証バイアスは認知バイアスの一種です。
確証バイアス とは;
ある考えや仮説を抱いてしまうと、それが正しいと示す方向の証拠を重視し、またそうした情報を収集すること。
それに相反する証拠が同時に提示されても軽視してしまう。最初の先入観や信念がなかなか変えられないことを理由づける『認知の歪み』のこと。(西田公昭著『だましの手口―知らないと損する心の法則』PHP出版)
国際ロマンス詐欺被害者が詐欺師との交際中にも確証バイアスという心理状態が働きます。
リブログした過去記事の例を挙げます。
- 被害者ブロガーは相手と電話で少しの時間話した経験があり、そして少しばかり発音がおかしいと感づく。
- しかし、相手が『アメリカ人である』という先入観を持っている。
- 相手の発音のおかしさに疑問をさしはさむと、母親が英語ネーティブではないとか、子供時代の友人が移民系が多く訛りが影響されたなどと聞かされる。この時点で被害者は都合の良い方向に自分自身でストーリーを整理してしまう。
- 『彼はアメリカ人であり、母親がメキシコ出身で小中学校の学友がアフリカ系だったことから彼の話し方がニューヨークの発音と異なる。誰もがテレビ・ドラマの白人俳優のような話をするのではないのだ』と結論づけ、大学で言語学を学んで知っていた事柄を無視してしまう。
最近は国際ロマンス詐欺も良く知られるようになった結果、『海外の婚約者が困っている』といった話を聞いて銀行員が差し止めて表彰されることも何度かあります。
毎日新聞 ロマンス詐欺防止、銀行従業員を表彰 天理署 /奈良(2020・6・9)
神戸新聞 振り込み目的に不審点 国際ロマンス詐欺の被害防ぐ 三菱UFJ銀行員 2020.2.29
北海道放送 女医が「資産預けたい」…銀行員が“ロマンス詐欺”未然に防ぐ 北海道札幌市 (2020.7.22)
しかし、金融機関が声をかけても『そんなはずはない』と被害者は詐欺師にお金を送るという目的を果たすために都合の良い解釈を考え、振り込んでしまうこともあります。金融機関の職員が高齢者の振り込め詐欺には敏感でも、働き盛りの人の海外送金は普通にあり得ることなので(例えば留学先の子供への仕送り、海外通販の支払いなど)、一回念を押されて被害者が『大丈夫です』といえばそれ以上踏み込めないと感じるかもしれません。
そして被害者には相手とビデオチャットをした(実際にはYoutubeなどから盗んできたチャットシーンの動画のストリーミング)という『強力な証拠(実は根拠にならない)』から、金融機関から念を押されても自分の仮説(相手が困っている・自分は騙されていない)を変えようとは思わないかもしれません。
