「国際ロマンス詐欺」 … 日本在住のアフリカ人が逮捕されて、ニュースで大きく報道され、日本における認知度が一気に上がりました。

 

Yahooのニュース記事のコメントやツィッターを見ていると、『自分も狙われる年齢層だから気をつけなきゃ』とか、『この間友達申請してきて応じなかったけどあれがそうだったのか』といったコメントも少なくないですが、被害に遭った方々へのかなりキツイコメントも多いですね。

 

時折見かけるのが、『いい年した「おばさん」や「おばあさん」がモテるはずもないのに』『ババアがときめいて引っかかるから悪い』みたいなコメントです。

 

男性でも女性でも、ある一定の年齢を超えたら、恋愛などをするのは恥ずかしいという考えは、古いです。恋愛そのものはいくつになっても許されるものではないですか? 私のアメリカの友人の一人(尊敬する仕事上の大先輩)は、60で再婚しました。彼女はお子さんも結婚して独立したので、今の旦那さんと二人で旅行したりハッピーな生活しています。60で好きな人と結婚、おかしいですか? そのアメリカ人の友人はいい歳こいて恋愛するバカですか?

 

私は「いい歳こいて恋愛してる」種類のおばさんではないですが、社会人の専門大学院で勉強してました。「大人の学び」も、冷ややかな目で見る人、日本にはいますね。学校というのは若い人が行くものでしょうか? 或いは語学学校なら中高年が通うのは許せても、大学や大学院に社会人が行くのはおかしいですか? ホームスティでアメリカ人留学生が泊まりに来ることになって、若い人が来ることを想像していたら子供や孫がいる世代の方だったということも、留学生のホームステイ受け入れ経験のある人ならあったかもしれません。大人が大学や大学院で学ぶことは間違いじゃないですね。同様に大人が恋愛することだっておかしいことではない。

 

恋愛に浮かれる中高年が良いか悪いかという話はここまでにしておきますが、『浮かれたバアアが悪い』みたいな、被害者に対する批判や面白おかしくからかう話を被害者が読んだら、どう感じるか考えたことはありますか?

 

リンクした記事は『オレオレ詐欺』の被害者が親族などから責められ自殺したことを扱った記事です。

https://www.sankei.com/west/news/150407/wst1504070009-n1.html

リンクした動画はNHKのクローズアップ現代『詐欺被害者 閉ざされた苦悩』のビデオです。

 

オレオレ詐欺と同様、国際ロマンス詐欺も被害者が周囲からの非難にさらされます。しかし『悪』は被害者でしょうか? そうではなくて、『加害者』である詐欺師ではないですか?

 

もちろんお金を貸した友人や親族からしてみると、被害者のとってしまった行動が原因で貸したお金も返してもらえない状況になったのだから批判したいのは無理もない。

 

詐欺被害者は見ず知らずの第三者からも非難される。結果、犯罪者のほうが悪いはずなのに、被害者が悪いというはなしになってしまう。

 

被害を非難したり、あるいは揶揄することを被害者が目にしたり耳にすることで、詐欺被害者は『二次被害』を受ける結果となります。そう、つまり被害者を揶揄する人は、『加害者』であると言えます。

 

ニュースに出てきた赤の他人の話だったら、ネットで『身の程知らずの色ボケババア』みたいなこと書いて『気持ちよい、楽しい』と思えるかもしれませんが、被害者があなたの友達や親族だったら…あなたが揶揄した結果、その人が自殺したり精神的な病気になったりしたら…非常に後味の悪いことになりませんか? 実際、オレオレ詐欺被害者の家族・親族も被害者が自殺したあと、非常に悲しい思いをしています。自分がその被害者である親族を死なせる結果になってしまったと悩むのです。

 

実は犯罪被害の『二次被害』というのは国際ロマンス詐欺のみならず様々な犯罪において問題となっています。

 

犯罪被害者の約9割の方は「二次被害」を受けているそうです。周囲やマスコミによる無責任な言動、各種手続きや裁判などに向けて繰り返し事件について話さなければならないことなどにおいてです。ネットで辛辣な批判をされることも、その周囲による無責任な言動の一つであると言えます。ネットで辛辣なコメントを被害者に対して書いている人たちは、自分が加害者になってることを自覚してほしい。

 

犯罪被害者支援の団体などは全国にあります。被害を受けた方は是非活用してください。こういうメンタル面のサポートは、専門家がすることです。

千葉県犯罪被害者支援センター http://chibacvs.gr.jp/secondary_damage

全国被害者支援ネットワーク   https://www.nnvs.org/higai/about/