さて偽ジャーナリストが赤十字の配送業者(Red Cross Delivery Company)の手配が整ったというや否や、1時間ほどでこのようなメールが運送業者から届くのです。ちなみにDHLのトラッキング番号は存在しないものでした(笑)

エラー
DHL7567351D (Not found): No result found for your DHL query. Please try again.
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お荷物の所在について、ご不明点などございましたら、DHL カスタマーサービスまでご連絡ください。

  

『配送員がシリアを出発し、日本に向かう途中、トランジット先のトルコに到着したことをお知らせします。
荷物の詳細は下記のとおりです。
Sender's Name:Felix Ijezie 
Receiver:  ( ) 
Label Number: DHL7567351D 
Expected Delivery Date: (削除)
Destination :Japan 
Class: Package Services 
Service(s): Delivery Confirmation 
Status: Notification sent 
Delivery Address:(削除) 

マダム、上記の住所が正確であるかどうかを確認してください。配達員はあなたの玄関先までお荷物をお届けしますので、間違った住所に届くことのないようにする必要があります。

このメールにすぐに返信してください。

Rev Maxwell. A.O 
チェーン・マネージャー
Rev マクセル A. O. 』


『はい、その住所で大丈夫です。』

と返事をすると、1日後にお決まりの問題が生じるのでした。

『インドネシア、フセイン・サストラネガラ空港国際空港税関で、あなたのお荷物の配送の遅れを生じさせる大変な問題に直面しました。2009年のインドネシア航空法によると、インドネシア政府はAir Navigation Service Managementを空港オペレーションから非営利機関に移管することになりインドネシア国境から日本に運ばれる荷物についてインドネシア当局は国連の非検査のすてぃっかーのついた荷物に対して6千500ドルを課するとしています。とはいえ、ここ員とネシアでは6000ドル英国ポンド(なんのこっちゃ)をインドネシア国境ですぐに取得することができます。
合計で1万2千500米ドルです。すぐにインドネシア税関当局の銀行口座をお知らせしますので、すぐに送金して手続きを済ませられるようにしてください。荷物はあなたの家までお届けします。

注意:この荷物はこれらの要求に見合う必要があります。なぜなら、これは外交特権(Diplomatic immunity)の荷物であり、国境を超える際に検査を免れることができるものだからです。(なんのこっちゃ
)
マダム、このメールにすぐに返事をしてください。それによって荷物を遅らせたり当局に必要以上の注意を向けさせたりしないことで後れを生じさせしないで済むからです。(わからん)

Sincerely
Emery Howard, MPA FCIS




『銀行口座を送ってください』というと、ミュールさんの銀行口座を送ってくれました。



『以下がインドネシア税関から指示された銀行の口座です。
(銀行口座情報省略、インドネシアの銀行口座でインドネシア人女性の名義でした。)

注意:この配送品の機密性の理由から、送金する銀行に送金の目的をたずねられたら、インドネシアにいる家族に送金するためだと説明しなさい。それによって滞りなく送金ができる。
マダム、早急に送金して、荷物を通関させて日本まで届けることができるようにしてください。
遅れた場合、ペナルティがつきますので、そのためにも今日の午前中に必ず送金してください。

すぐにご返事をください。お金を送金したら、確認のため、支払伝票を即に送ってください。本件の機密性は非常に重要なことで、日本に到着した後に武装した強盗団に見つかることも心配しています。

Sincerely, 
Emery Howard, MPA, FCIS


この後一時間もしないうちに詐欺師のメインキャラクター、カリド君からのメール。


美智子、
今日はどんな一日だったかい?
今はもう遅い時間だよね。
運送会社からメールがとどいて、荷物の差し押さえを解除するため、インドネシアの税関で1万2千500ドルを支払うように要求されていると聞いたよ。僕は大金を荷物に入れているんだ。もしそのお金を奴らに見られたら、僕の荷物は送れるか没収されるかするだろう。お願いだ、僕を助けてほしい。彼らにお金を支払って、荷物をさし押され解除してもらえるように。僕が日本に行って荷物を受け取ったときには、君に全額返すよ。僕は一所懸命働いて手に入れたお金を失いたくないんだ。わかってくれるよね。
君の愛する友人より。
カリド



このストーリーのパターンは、相手がジャーナリストだろうが軍人だろうが医者だろうが国連職員だろうが、あるいは戦地じゃなくて途上国や産油国にプロジェクトで出かけているエンジニアだろうが、海上の船乗りだろうがみな同じです。多少の設定の違いがあろうとも。




歌織♪さんのブログにもありますが、国際宅配便が「あなたの住所と名前はこれでいいですか?」なんて聞いてくることはありません。私も仕事でもプライベートでも国際宅配を送ったり受け取ったりしますが、宅配業者から受取人にいちいち聞いてきたという経験は全くありません。DHLでもFedexでも、EMSでも。リンクした記事で歌織さんがおっしゃっている通り『これは、ちゃんと手配が進んでるんですよ と思わせる心理的な作戦の一つです。』

トランジット先で荷物のチェックがあるとすれば、それは危険物のチェックのみです。荷物が税関にひっかかり、動けなくなるということはあり得ません。たとえハンドキャリーの荷物であったとしても。考えてみて下さい。飛行機に乗るとき、いくつも空港をトランジットする場合でも、荷物が寄港先でいちいち税関の検査を受けますか? 入国すらしていないんですよ。荷物が税関でひっかかるとしたら、それは目的地の空港です。入国するわけですから。

このストーリーで登場した空港はジャカルタではなくて西ジャワ州のバンドンにある空港です。どんな航路の便が来るのかというと、トルコ便や日本便はあり得ません。
フセイン・サストラネガラ空港(フセイン・サストラネガラくうこう、インドネシア語: Bandara Husein Sastranegara、英語: Husein Sastranegara Airport)は、インドネシアのジャワ島、西ジャワ州の州都バンドンにある空港です。国際線はクアラルンプールやシンガポールへの便。

そして、ストーリーが非常に現実味あったとしても、下記の点があればやはり詐欺と考えて正解です。

●お金をすぐに払わないと罰金が科せられるなどと言って急がせる。
  当然ですが考える間を与えないためです。時間の余裕があれば、『おかしいな』と気が付くような内容がこの段階でかなり目につきます。空港が???だし、トランジット先で税関なんて聞いたことないし、などなど。

●荷物の内容が機密性が強いことを強調し、他の人に言わないようにと言ってくる。
  送金する理由とか、誰にどんなことを要求されているかなどを被害者の方が第三者(家族や友人、あるいは銀行窓口の人)に伝えたことで詐欺がばれてしまうというケースが多いのでそれを防ぐためには、詐欺師はこの『大金の入った荷物』について誰にも話してほしくないわけです。

●銀行に目的を聞かれたら家族の必要などというようにと指示してくる。
  今、国内詐欺なども問題になってますよね。銀行が100万円以上送金となるとかなり強い調子で確認してくるわけです。そこで、家族の必要なんだと説明するようにと指示してくる。
  Baiterじゃなくて本物の被害者に手を焼いて、お金送金させるのに時間かかったことのある詐欺師なら、このあたり被害者から学び取っています。銀行からこう言われたらこう答えろとか、送金の方法をこれこれこのようにしろとか、具体的に指示してくるかもしれません。
  日本の振り込め詐欺対策で10万円ほどの送金でも送金理由の分かる請求書など見せてくれと銀行に言われますからね。私も昨年、1件4万円ほどするセミナーを3件、合計12万円一度に振り込んだことがありますが、念のため請求書見せてくださいって言われましたよ。そうすると、10万円以上の送金なら請求書のいらない金額に分けて2回送金しろとか具体的に指定してくるでしょう。