ほとんどの場合、私にコンタクトくださる方は、すでに相手が詐欺と気づいたか、相手が怪しいと思った方、あるいはそのご友人やご親族の方で、実害を受けられた被害者の方は「相手を信じ続けてお金をかなりつぎ込んでしまった」かもしれないけれどもどこかでピリオドを打たれています。たいていの場合、相手との接触を断つようにアドバイスしてきました。

ですが、身近な方であれ、見ず知らずの方であれ誰かしらが警告してくれたり、あるいは自分の中で警報が鳴っているにも関わらず相手を信じ続けてしまった場合、どんなドラマが待ち受けているのでしょうか?

アフリカン詐欺師の目的はお金です。「感じのいい人」なのでずっと付き合いたいけれど、もう送るお金もない、借金も返さなければならない、親族も友人もお金を貸してくれない…といった状況になったときどうなるのか。詐欺師からも見捨てられるか、あるいは利用されるかどちらかです。

利用される場合、犯罪に手を染めて、更なる悲劇が待ち受けているのです。

お金が返ってくるといって、小切手が送られてきて、その小切手が偽物だったため、逮捕されたという被害者の方もおられます。国によっては、偽小切手を作った側だけではなく、偽物と知らないで使おうとした側も罪を問われるのです。

そして、よくあるのが、マネーミュールとして利用されることです。少しばかりお金が返ってくると仄めかされると、すでに何千ドル、何万ドルも払っている被害者の方は期待をするでしょう。

お金がどこから送られてくるのかというと、詐欺師本人ではなく、ほかの被害者からです。ミュールの方のことを税関の役人とか銀行のスタッフとか、詐欺師が名乗っている人物の秘書や友人や従姉妹などとその被害者の方に説明し、お金を振り込ませます。そして、そのあと、一部の謝礼をミュールに残して残りを詐欺師が指定した口座に振り込ませたり、足のつきにくいウェスタンユニオンやマネーグラムで送金させたりします。

これはマネーロンダリングです。詐欺という犯罪行為によって得たお金を出所を消して正当な手段で得たお金と見せかけることを比喩して、「お金の洗浄」、マネーラウンドリーというわけです。

アフリカのネットカフェにいる主犯はなかなか逮捕されません。先進国や新興国の、警察がしっかりしているところにいるマネーミュールたちが捕まります。銀行がお金の動きを察知したり、詐欺の被害にあった方からの報告をもとに銀行や警察が捜査し、ミュールの口座を探し当てます。逮捕に至らなくても、銀行口座が凍結される可能性があります。

マネーミュールというのは犯罪者たちにとっては捨て駒です。捕まっても誰も助けてくれません。マネーロンダリングの疑いで銀行口座が凍結されたら、国や銀行によって異なりますが何年か銀行口座を作ることさえできなくなるそうです。

だからこそ、そこまで行く前に、親族や友人、あるいは見知らぬ警告者、あるいは心の中の警報に被害者の方が耳を傾けてほしいと、そう願っています。


参考資料 http://www.romancescam.com/forum/viewtopic.php?t=56329