今月は、長かった気がするけれど
気がついたらあっという間やったかな、とも思ったり。
 
欧州を襲った寒の戻りは農家さんには実に厳しい結果を(一部やけど)齎しました。
第一波の寒の戻りは氷点下5度、これには太刀打ち出来ず仏国は1991年以来の最大級の霜被害が出たそうな。
2017年も酷かったけど、今年の場合は第一派でガツンとやられた後も、ずーっと連夜の霜被害対策に追われて、農家さんは疲労困憊やったわよ。
毎晩、明け方まで氷点下の畑で炎を燃やし続けるねんから。
 
 
 
 
 
昼間は少しずつ春っぽいねんけどね
風はまだまだ冷たいし、
夜は夜で緊張感漂う畑の生死をかけた戦いが連日続いていたわけで
そして昼間は小鳥の囀りだけが響き渡る桃源郷の世界が
なんか時間を止めてしまっているみたいな、不思議な感じでした。
そんな誰もが精神的に落ち着かぬ日々に追い討ちをかけたのが朝一の訃報
 
ワタクシの親友マダムのお嬢の恋人が
コロナに感染して、隔離期間中にお亡くなりになってしまった。
 
最後に彼を見たのは、休暇で帰ってきていた先々週。
あの時、二人が一緒にいた時の幸せそうな無邪気な笑顔を忘れることができない。
あれは至って普通の日常の光景だった。
 
 
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この二人は長らく遠距離恋愛中で
近い将来お互いが地元に戻ってきて一緒に暮らすはずやったの。
お嬢は一足早くコロナ禍のパリ生活に見切りをつけて地元に戻ってきていて、
その彼女に会いに戻って来た週末開け、彼はいつも通りまたここから車で5時間以上離れた地方都市の職場へ戻ったわけですが、
その際に実は同僚がコロナ陽性で彼は濃厚接触者であることを告げられて
急いで検査したら陽性やったわけ。
地元で彼と濃厚接触した者はみんな即座に検査を受けてお嬢も含めて全員陰性からの自主隔離開始
同僚は週末には陽性と言うことが分かっていたというのに、それを職場の濃厚接触者たち伝えたのは週明け。
濃厚接触者だから地元に残って検査して、万が一のことを考慮して検査結果が出るまで戻らないほうがいいって、話になっておったら
彼は故郷から遠い街で、隔離された状況で、たった一人で死なずに済んだかもしれない。
と、親友マダムは泣きながらワタクシに言うたわ。
 
 
 
 
 
彼の死因はコロナに由来はするけれど感染による死亡ではではない。
彼は突然自らの命を絶ってしまった。
陽性発覚後は隔離状態になり、それでも重要なポジションを任されていた仕事はリモートワークの状況で(おそらく症状は重篤ではなく)、彼にとってはかなり重圧のかかるプロジェクトを背負っていたため、休めずに続けていたらしい。
でも、これもおそらくは直接の原因ではない。
遺書もなく、
毎日連絡を取り合っていた彼女とも直前まで笑ってライブ通話をしていたと言う。
もちろん親御さんもよ。
翌朝から音信不通になって体調に異変があったかと心配していた矢先に、部屋に食事を届けに来た人が第一発見者となってしまった。
青天の霹靂とはこのこと。
理由は未だに、そして永遠に不明。
 
 
 
 
 
お嬢は、それから1週間もの間
彼の両親につきっきりで側にいて、
遠く離れた恋人の住んでいた場所に出向き、遺体と対面し
諸々の手続きも全力でサポートし、アパルトマンの周りを案内すらして彼らの息子がどんなふうにそこで過ごしていたか、親が知らぬところを全て解説してあげたり、
悲しみを分かち合いながら健気なまでに支えようとしていたわ。
遺体より一足先に地元に戻りお互いの友人たちに訃報を知らせその対応に追われて
アンタ、そろそろ倒れるで、ちょっと休まんとあかんよ
と思ってたんですけど(止まったら止まったで悲しみの大海原に飲み込まれそうできっとそれも嫌やったんやと思いますが)
とうとう、ある夜実家に帰宅した彼女はまるで廃人のように
これ以上歩くことも言葉を発することもできなくなってしまいましたんよ。
それまで、悲しみが深すぎて彼女は泣くこともできなかった。
その夜、初めて涙が溢れ出てきて一晩中泣いたんだな。
彼女の母親の胸の中で泣き崩れたらしいわ。
 
 
 
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たまたま翌日ワタクシはマダムに会いに行く用事があって彼女と再会したんですよ
テラスのチェアーで真っ白な顔で抜け殻みたいにぼんやりと空を見つめていた彼女に駆け寄ると、お嬢はワタクシにしがみついて震えてむせび泣き出した。
ワタクシはただただナデナデしながらぎゅーっと強く強く抱きしめて
彼女の言葉をうんうんと頷きながら聞くだけでござんした。
心と頭と身体がバラバラになって、自分に何が起こっているのかわからない
もう動けないし、声も出なくなって
自分が息をしているのかさえ分からなくて、
私がしっかりしなきゃいけないのに
もうダメだった。
誰かに会って話す気力も、メッセージに返信する気力も何もかも消え失せて
大切な人を最期に送り出す準備すらする気持ちが湧いてこない。
どうしてここにいるのか分からなくなって、立っていることもできなくなった。
そういって彼女は泣いていました。
 
えらかったねえ。ようがんばったわ。でももうええよ。
それは至極当然のことで不自然なことじゃないから、それでええんよ
あなたの頭はそう考えているけれど、あなたの心は現実をまだうけいれられていないんよ、心のサインを身体は受け取っているからあなたが壊れる前にストップをかけたんよ。
もうね、今日1日くらいこの家族のいる安全地帯のおうちの中でちょっと休んで
自分だけの悲しみに浸ったらええわ。
誰とも分かち合わずに、誰かを慰めたりもせんと、自分のためだけに休みなさい。
ついでに、こんなことは一生に一回(それ以上あってたまるか)やからね
調子に乗って周りの人全てに甘えまくってわがまま言うたらええわ。
女王様になっとき。
 
そう言うたら、やっと笑ってくれました(笑わせるつもりはないんやけど)
 
 
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こういう他人様のプライベートな禍事をブログネタに書いてどうすんねんって思う方がおられるやもしれぬ。
自分の備忘録であって面白おかしく騒ぎ立ててるつもりもない
が、こちらを覗きにきてくださるブロ友さんの中には彼くらいのまだ20代そこそこの若いお子さんを持つ方も少なくないと思うし、たとえ重なる部分がないとしても
あえて書いておくわ。
国籍に関係なく若い子たちの心は、ワタクシが思っているほどまだ大人でなくて、そして何かのきっかけで非常に壊れやすい危うさを持っている。
特にこのコロナという状況は大人や年寄りが想像する以上に、
大人にとっては経験上まだ大丈夫と思える範囲と考えがちな「些細な事」が彼らをいとも簡単にあっという間に絶望させてしまえる。
いや、大人が実際辛いんやから子供も相当辛いよ。対応力や感じ方はそれぞれ違ってもね。
コロナで体力的に重症化しやすいのは年寄りだが、精神的に重症化しやすいのは若者の方かも知れまへん。
若い子たちはワタクシたちが成長(老化)過程で失った感受性の高さをもってこの異常で過酷な現実と対峙せねばならない
コロナでなくても、どれほど賢者で大人びていようが、経験値が浅く純粋で単純で繊細ゆえの危うさが、想像しなかった大胆な行動をとる可能性がいつだってある事を忘れてはならんと思い知らされたのです。
 
 
 
この話、自分と自分の大切な人たちに起こった事として、
感情の形や記憶が薄れゆく前にきちんと正しく書き留めておきたいので
この先もちょっと長くなるので(いつもよりもな)
今日はここまでね。