ヤマアラシのストーリー 64精霊から | センス・オブ・ワンダーな ママ シャイニングムーン

センス・オブ・ワンダーな ママ シャイニングムーン

神秘さや不思議さに目を見張る心「センス・オブ・ワンダー」が、
いつまでも失われませんように~
地球や生命の美しさを見て、聞いて、触れて、嗅いで、
感じることの喜びを失わないで~レイチェル・カーソン


∞64∞ 曼荼羅曼華


ある日のこと、


ヤマアラシは森の中をいつものように歩いていた。


何か面白いものないかな~


あれは、なんだ?


そこには大きなカバの木が横たわっていた。


ヤマアラシは好奇心が掻き立てられ、近づいてみた。


思ったとおり!


大きなカバの木は、中が空洞になっている。


ヤマアラシは思った。


中がわざわざ空いているのは、私が遊ぶためかな?


どうやって遊ぼうかな~?


ヤマアラシは、転がそうとしたり、中へ入ってみたり、


いろいろ考えて、ためして遊んでみた。



その時、むこうの方から黒くて大きなベア(クマ)がやって来た。

ベアは、大好物の蜂蜜を探していた。


ヤマアラシは、一人だったので遊び相手に丁度いい!と喜んだ。


「こんにちは、ベアさん。」


「ちょうど良かったわ、一緒に遊びましょう。」


大きな黒いベアは、無愛想に答えた。


「そこをどいてくれ、俺は蜂蜜を取りに行くところなんだ。」


「遊ぶには歳をとりすぎた、頼むからそこをどいてくれ!」


無邪気なヤマアラシには理解できなかった。


「どうして?遊ぶのに年は関係ないわ。」


「子供の頃を思い出して!」


「これからずっと、今のように無愛想で不親切なベアでいるつもり?」


そう言われてベアはハッとした。


確かにヤマアラシの言うとおりだ。


俺を見るとみんな怖がって逃げてしまう。


同じ仲間でさえ、俺が唸るとそそくさと逃げていく。


けれどこの小さいヤマアラシは、


みんなが恐れて逃げるのに逃げないで話しかけている。


自分を食べたりしないと、信じている。


友達になろうとまで言っている。


年取ったベアはヤマアラシを見て心が動いた。


自分が恥ずかしくなった。



そして子熊の頃に遊んだ事を少しづつ思い出した。


子熊の頃はなんて楽しかったのだろう!


大きな黒いベアは、日が暮れるまで無邪気にヤマアラシと遊んだ。


「小さなヤマアラシよ、ありがとう。」


「頑固ジジイの威厳を取ってしまったら、他の者たちが俺をどう思うか、


誰も一目置かなくなるのじゃないかと、怖かったんだ。」


「嫌われるように、自分が仕向けていたんだ。」


「これからも一緒に遊んでおくれ、小さなヤマアラシよ。」



こうしてベアは、子熊の無邪気さを取り戻し、


ヤマアラシの無邪気さを学んだ。


ヤマアラシは大人の世界の恐れや強欲や葛藤の、


日々の渾沌に囚われないで!と、告げている。




ヤマアラシは、誰にもある「子供の頃」の遊びを思いだし、心を開くこと、


空想や想像の大切さ、何でもないものからの遊び心という


「無邪気さ」を持つことがどんなに素晴らしいかを知らせます。




そしてその「無邪気さ」とは、恐れられる相手の純粋さを引き出し、


どんなに不可能と思えることも「可能」にする力だと。