シリーズ絵本思考® 第6回
「物語の役割」
つながりライフクリエイト代表
絵本ライフクリエイター® わたこです。
ブログにお越しいただき、ありがとうございます。
🍀🍀🍀🍀🍀
前回は、「家族の共通言語」についてお話ししました。
家族の中で交わされる言葉には
共通の背景がある。
その言葉があることが
家族をつなぎ、
安心できる居場所を育てていくということをお伝えしました。
今回は、「物語」について考えてみたいと思います。
🍀🍀🍀🍀🍀
◆私たちは物語の中で生きている
私たちは毎日繰り返しのようで、時と出来事を重ね、物語を残し続けて生きているように思うのです。
「今日こんなことがあった。」
「昔こんなことがあってね。」
そんな何気ない会話も、一つひとつが物語です。
でも、その物語は、必ずしも事実のそれではないと思うのです。
同じ出来事でも、人によって受け取り方は違います。
うれしかった人もいれば、悲しかった人もいる。
勇気をもらった人もいれば、傷ついた人もいる。
人は、出来事そのものだけを生きているのではありません。
その出来事にどんな意味を見出したのか。
その「意味」が、一人ひとりの物語になっていくのです。
◆物語は心を映す鏡
人の話を聞くとき、「正しいか、間違っているか」で判断しようとはしないようにしています。
もちろん事実は大切です。
でも、それ以上に気になるのは、
「この人は、どんな思いでこの話をしているのだろう。」
ということです。
話が少し大きくなっていたり、細かな事実が違っていたりすることもあります。
それでも、その奥にある気持ちや、その人が出来事にどんな意味を与えたのかに耳を傾けると、その人の見ている世界が少しずつ見えてきます。
【物語】とは、その人の心を映す鏡なのだと思います。
◆子どもの物語を聴くということ
あるとき子どもの話を聞いていると、
「ん?他から聞いてたのと少し違うぞ?」
そう感じたことがありました。
でも、その場で正そうとはせず、一つの物語として聞いてみたのです。
すると見えてきたのは、事実ではなく、子どもの気持ちでした。
認めてほしかったこと。
悔しかったこと。
今どう思っているか。
子どもは、自分が感じたことを、自分なりの物語にして伝えていたのです。
その瞬間、「本当かどうか」よりも、「この子は何を感じ、何を伝えたかったのだろう」ということの方が、ずっと大切に思えました。
◆絵本は「事実」ではなく「意味」を届ける
絵本も同じです。
動物が話したり、空を飛んだり、現実には起こらない出来事が描かれています。
それなのに私たちは、「そんなことはありえない」とは思わず、その物語の世界に入り込みます。
登場人物と一緒に笑い、一緒に悲しみ、一緒に安心する。
私たちの心が動くのは、事実を確認できたからではありません。
物語を通して、その出来事が持つ意味や、そこにある気持ちを感じているからです。
心は、事実だけを求めているのではなく、その奥にある意味を受け取ろうとしているのかもしれません。
だから絵本は、現実ではない世界を描いていても、私たちの心に深く届くのでしょう。
◆物語は人を尊重するためにある
絵本思考®では、
絵本を「読むもの」としてだけではなく、人の内側にある物語に出会うための入り口として大切にしています。
【物語】は、人を判断するためのものではありません。
その人を受け入れるためのものです。
その人が、どんな意味を見つけながら生きてきたのか。
その物語に耳を傾けることは、その人の物語ごと受け入れることでもあります。
そして、それはその人を尊重することにもつながっていくのです。
それが、絵本をツールとしたときの人と人をつなぐ大きな可能性であり、絵本思考®の大切なまなざしだと思っています。
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