カンヌを取りアカデミーを取り、とにかく話題の映画
観た人に感想を求めると大概黙ってしまう、そんな映画
これは足を運ばないと、と期待を胸にスクリーンへ

本編前の広告が終了すると、画面サイズが小さくなります
スタンダードサイズの上映
しかもカメラは終始主人公サウルの至近距離で
画面の2/3はサウルのアップ、ピントは終始サウルのみ
サウルの後方に映し出される光景にはピントが合うことはありません

そこにうごめく肌色や赤色、音だけがサラウンドでけたたましい

我々はサウルとなって動いていく
完全に体験型の手法で観客を誘導していく流れ

サウルには息子はいないというくだりがありますが
サウルは自身が息子だと主張する1人の少年の遺体に固執します
その息子、に値するのは、

サウル自身が救えなかった子どもたちの命かもしれない
ゾンダーコマンドとして生きなければならなかった数日間のサウルに
我々はまさに密着させられ、様々なものをはっきりとではなく、見る

 

表情を微塵も変えず、殆ど話すことないサウルが
ラストシーンで見せた、光に包まれる静かな微笑みは
実在したゾンダーコマンドたちが
危険を冒しながらも残した、隠された記録によって
こうして現在に全容を明かすことで
報われるものだったように思えて仕方がなかった

 

サウルは最期に希望という光を見た、と思いたい