2006年、私はオーストラリアにいた。

 

ファームの仕事を転々としながら、働いてお金を貯めては旅をし、また働いてお金を貯めて旅をする。そんな暮らしが結構当たり前になってきた頃。

 

ある農家の家にホームステイしながら働かせて貰える機会があった。

 

 

牧草の種を商品にする工場。

今にも止まってしまうのではないかと思えるほどの、古くて大きな機械で運ばれてきた牧草の種をきれいにして袋詰めをする。そんな仕事。

 

 

埃っぽいし、身体痒くなるし、ハッキリ言ってつまらない。

一緒に働いているひとは、ボスのマイク(47)と従業員のジェームス(60代)。

ときどきやってくる、おじいちゃんのデズ(70代)。


田舎言葉でなまりのあるオーストラリア英語が更になまった言葉を話す彼ら。

会話なんてまるで理解できない。勿論、彼らも私の英語はよく分からない感じだったけど、気持ちをいつも汲み取ってくれていた。そして、すごく可愛がってもらえた。

 

 

 

 

おじいちゃんデズの奥さんは、とっても料理上手でラブリーなドリス❤

 

 

いつもお茶菓子を焼いてきてくれた。

パンケーキ、クッキー、スコーン、ラスクに手作りのジャムや庭で採取した蜂蜜も。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

このおじいちゃんとおばあちゃんには、何度かピクニックにも連れて行ってもらった。

 

田舎の町から更に山の方に車で走り。

どこも同じに見えるような山の中で、ここだ、という場所に車を停めて降りる。

 

おじいちゃんは火を焚きつける。

お湯を沸かして紅茶を入れてくれた。

そして、パンを焼く。

 

 

ランチはラブリードリスが沢山作ってくれた。

ピクニック用のテーブルクロスが堪らなく可愛くて、大興奮したのを覚えてる。

クロスが風に飛ばないように、四方におもりをつけるの。

「日本はお米を食べるんでしょ。今日はライスサラダ作ったわよ」とドリス。


 

 

 

この時に何を食べたのかはもう思い出せないけど、2人の気持ちが優しくて温かくてとっても嬉しかった。

 

おじいちゃんの方は耳が悪いし、私の発音じゃ全く理解できていない。→会話にならない。

おばあちゃんは色々話してくれるけど、私がなかなかキャッチボールをこなせない。→そんなに会話にならない。

 

 

にも関らず、本当に優しくしてくれた。

久しぶりに、ドリスおばあちゃんに教えて貰ったレシピでケーキ作ろうかな。

 

 

 

 

そして、

ボスもいい人だったんだよね。

実は、恋する寸前でした。

妻子持ち、年齢の差、私は異国人。

叶わぬ恋には気づかないふり。

 

 

ボスも若い時にバックパッカーをしていたので、私みたいなバックパッカーには、興味もあるし気持ちも幾分理解できるのだろう。

ボスも私を山の中へ何度かドライブに連れて行ってくれた。

山の中といっても、道の無い本当の山の中!

原生林の中をガッタゴット四駆の車でワイルドドライブ。振動が堪らなく楽しい。


 

 

 

ボスのバックパッカーの旅は北欧。

ノルウェーでは、数カ月農家にお世話になり、彼に家族が出来たら家族で会いに行くと約束をしたんだって。


そう。

そして、ボスは家族4人でノルウェーに行ったのです。

 

 

ボスは私にも言った。



「いつか、家族がいても一人でもいい。また訪ねておいで」

 

 

「Yes,I will.」

 

 

 

 

旅はつづく。