涼感心地よい季節となり、気づくと甘い香りが庭に立ち込めている。本当に久しぶりにやってきたこの爽やかな匂いが懐かしい……そう、金木犀の花。

何処で咲いているのだろう。

 

金木犀の木が枯れてもう二十年以上。枯れた木の根元から子が生えてずっと花をつけずにいたのだが……と思って裏庭に周って見たら咲いている。






このように新株が育ち、





 

何年もかけてはじめてオレンジ色の花を咲かせた。





 

金木犀(キンモクセイ)……金星と木星……今年の秋の始まりは格別な予感に満ちている。

短い期間ではあるが、寒くなる前のこの季節は肉体を持った生き物として過ごすのに生きやすい。とりわけ血圧を下げる暑気が去ったことは低血圧の自分にとってはうれしい。

透析する者にとって低血圧過ぎるのはよくなくて、血管が狭窄して透析器に血液を送り出すシャント(第二の心臓)の働きが鈍る。そのため、血管を広げるためのカテーテル手術を約1年ぶりに行った。

今回は、肘のあたりから手首に向かう動脈に直径0.46ミリのワイヤーを入れて、動脈と静脈接合部のシャントを経由して肘下の静脈まで通す。その間の狭窄した箇所を風船で膨らませて血管を広げる。

シャントは元々の身体にない働きであるから無くそうとするのが身体の摂理。それに対処してこのような定期的な手術を要する。不自然なことではあるが、自分の身体を他者や医療機器に依存せずには生きてゆけないことに感謝するしかない。だから、身体に対しては限りなく謙虚になるし健気に生きようと思う。

一度枯れて死にかけた金木犀は二十年以上もの年月をかけて復活して花を咲かせた。健気に生きることの意味を教えている。