今回は終わってしまったイベントの話です!
大阪での会期は終わったんですが
現在名古屋へ巡回中で8月31日までやってるので
ギリギリセーフって事で!笑
6月の始めに本町でやっていた
「視てはいけない絵画展」へ行って来ました!
全てはフィクションなのですが
集められた絵画の曰くを繋いでいくと
その裏にある何かを感じとれるようになっていて
本当の展示会を見ている体で深掘りすると
直接は語られない物語が現れて大変楽しく
なかなか臨場感のある体験ができました
不穏なモキュメンタリーでとても良かったです
私、こういうの大好き!!
入り口から不穏だよ!!
会場入り口にはカーテンを開けて入るのですが
いきなり入り口の床に絵が描いてある
なんの説明もないので気になりつつ進む
なんか森の絵ぽいな
なんなんだコレは
踏んでまうやん
さて
この展示会は架空の蒐集家、小野武久氏が集めた
「視てはいけない」と言われる曰く付きの絵が
展示されているという設定です
自身も画家だった小野武久は
1970年代に渡英し小規模な画廊で活躍しました
1976年に出会った日本人画家と婚約するも
アトリエの火災で利き腕を負傷し画家を断念
婚約者と死別後、単身日本へ帰国した後
視てはいけない絵画の蒐集家となりました
…という設定ですが、めちゃ凝ってる!
作品やバックボーンの作り込みが凄く
なかなかにリアリティがあるので
来場者の中には本当にそう言う人がいて
集められた作品が展示されてるんだと
信じてる人もいてそうな雰囲気でした
世界観への没入度が高いよ!!
それでは作品を見て行きましょう
「ベラレッテ家の昼食」
1886年「我々の全てを描いて公開して欲しい」
との依頼を受けた画家ジュール・デュボワが
ベラレッテ家が長寿を得る為に長年行っていた
秘密の儀式の様子を描いた作品
彼らの食べているものと子どもの遊び道具が
黒く塗り潰されています
ベラレッテ家の人々はその後何故か命を落とし
家系は断絶しました
ベラレッテ家の婿養子だった男はその娘と共に
1888年にお雇い外国人として来日しますが
2人もやはり短命だったと言われています
「微笑む淑女とメルバニア少年合唱団」
一見可愛らしい合唱団の絵なのですが
問題はこの絵に描かれた人物達の
生年月日と没年ですね
皆、7歳で亡くなっています
日本でも、7つ前は神のうち、と言うように
幼い子どもはまだ神に近い存在なのです
その存在の未完成さ故に
大人の欲望や実験に
利用される事もあったのでしょう
「アイリス」
ラップでぐるぐる巻きにされた作品
作者のレオナルド・ヴェロッキオは
この作品を元家庭教師のカーラ・ブルーノに
誕生日プレゼントとして贈呈した直後
警察に自首し、その日に自ら命を断ちました
この作品にはパリス・グリーンが大量に使われ
(アセト亜ヒ酸銅が含まれた毒性のある顔料)
長期的に飾られた場合
中毒を引き起こす可能性があったと言います
後日、カーラ・ブルーノは児童売買
及び近隣児童への性的虐待の疑いで拘束され
自宅から「微笑む淑女とメルバニア少年合唱団」
などの絵が発見されました
「円」
襖に描かれた無数の円
この襖は2003年に佐竹重文氏の家屋から
回収されました(家屋は解体済み)
佐竹氏はある時から襖に円を描く事で
悪しきものから家族を守るという思想に
取り憑かれたようです
氏は1880年頃にフランス人女性と結婚しており
それから悪しきものに怯えるようになりました
佐竹氏が残した一枚の手記
1880年代、フランス人女性
呪いはあの女の一族についていた…
なんだかどこかで聞いたような…?
「笠岡屋敷」
壁ごと切り取られた絵画
作者もタイトルである笠岡屋敷の所在も不明
しかしこの作品のメインは絵ではありません
この作品のポイントは
「残火」
画家、荒川和夫(1949-2020)の巨大な作品
彼が在英中に見た火事の様子を描いた作品ですが
あまりに悲惨であった為、直接描く事ができず
人を動物に置き換えたのだそうです
この動物達、実際は誰だったのでしょう
在英中、火事、と言う単語に引っかかります…
「自画像」
イギリス人画家、エミリー・ブラウンの絶筆
彼女はこの作品を完成させた7日後に死亡
ブラウンを看取った友人や医師が
「絵画の中の彼女が恨めしそうに見ている」
などと語った為
目が合うと呪われる絵だと噂が立ちます
その後、この作品は新進気鋭の画商であった
彼女の長男マーカス・ブラウンの手により
大衆の関心を煽る為に目隠しをされました
そうして「視てはいけない絵画」として
知名度を上げた本作品は
マーカス・ブラウンに莫大な富を与えました
「ある男の肖像」
数十人、数百人の画家が断続的に筆を加えて
完成させた「ある男」の肖像
どうやら多くの人から恨まれた人物のようで
乱暴な筆跡からは憎悪が感じられます
彼は一体どのような人間だったのでしょうか
ここである人物の紹介がありました
エミリー・ブラウンの息子マーカスです
怨まれた「ある男」とはマーカスだったのですね
彼はアートを見せ物として扱い
コレクターの好奇心を煽り価値を釣り上げる
悪徳画商として大きな力を持っていました
若手画家を積極的に発掘して利用したり
意に沿わない者には汚名を着せて潰したりと
なるほど、多くの恨みをかっていたのでしょう
また、画家達に自分をBOSSと呼ばせ
ブラウンのBの文字が刻まれたバッジを持たせて
その権威を周囲に誇示してもいたそうです
金の亡者だし自己顕示欲凄いしで
ホンマに碌でもないヤツだな
エミリー・ブラウンも浮かばれないね
「故郷の地」
あれ?額縁だけ?
解説を読むとこの作品は
「足元へ移動する絵画」のようです
うっかり絵を踏み付けてしまったら
作者のマルロウに呪われるみたいですね
マルロウの手記
マジで呪う気やん、この人
逆恨みも甚だしいな
でもそんな、絵が勝手に動くなんて、ねぇ?
「シェリーの空隙」
ジュリアン・ヴォルテールが書いた
亡くなった彼の妻シェリーの肖像画
目の部分が鏡面仕上げになっており
絵を覗き込むとそこに鑑賞者自身の瞳が映り込む
ヴォルテールは晩年、とある日本人画家に
「魂に合う視線をもって、彼女は再び光を得る」
と語ったそうです
ヴォルテールは「魂に合う視線」によって
彼女が本当に甦ると信じていたようですね
絵の中のシェリーもまた
「魂に合う視線」を待ち侘びている事でしょう
鑑賞の際には御用心ください
おや?謎の小部屋の中にも作品があるみたいです
中に入ってみましょう
「無垢」
フランス革命後に没落した
ベリス伯爵家の嫡男シャルルの自画像
夜盲症のシャルルは革命後に両親と引き離され
小部屋に監禁されました
暗闇を恐れた彼は衰弱し亡くなります
彼の肖像画は修道院の暗室で保管されましたが
ある夜、修道士達は自らの目を抉り
修道院に火を放ち死に絶えました
その後もこの絵は夜になると悪さをするようです
今回は安全な方法で展示されているとの事
もしかして扉がある小部屋に飾られてるのは
夜になると危険だから?
「情熱」
若き画家、立西絵麻(1950-1980)の肖像画
彼女は1980年に渡英先のアトリエの火事により
多くの作品と共に命を失いました
絵の周りにも火事で焼けた跡が残っています…
この作品は彼女の力強い眼差しも印象的ですが
シンプルな装いの中にある襟元のバッジも
見る者の目を惹きつけますね
「視てはいけない絵画展」
全ての作品や説明は書けないけれど
絵画の背景にある真実が
なんとなくぼんやりと見えたでしょうか
亡くなった小野氏は何故
「視てはいけない絵画展」を企画したのか
当時の英国の画壇で何が起こっていたのか
そして今、呪いはどこにあるのか
大変ワクワクする微ホラー体験でありました
静かにめちゃくちゃ楽しかった!!
大満足です!!
グッズも良かった!
ブラインドの絵画シールは「情熱」が出た
右のエミリー・ブラウンの絵葉書は
目元のテープが剥がせる仕様になってるんです
そんなん絶対剥がすよね!
テープの下のエミリー・ブラウン
どんなだったか知りたいですか…?
左下の封筒は中に年表が入ってて
事実関係が大変わかりやすくて良かった
これは絶対に買うべきアイテム!
↓中にはコレが入ってます
後、本当は無料の音声ガイドがあって
下野紘さんが案内人やってるんですよ!
聞きたかったけど何故か私のケータイだと
音が流れなくて聞けなかったんだよね
それだけがちょっと残念でした



























