
祖母は身体が弱く
横になっていることが多かった。
1970年代、テレビは
ガチャガチャと回すタイプで
祖母の指定した通りに
チャンネルを回すのは私の役目だった。
祖母が「うまいねー」と言っていた歌手は
幼なゴコロにも
「この顔だったらフラれるだろう」と
思わせる
失恋ソングばかり歌っていた。

その人は
お笑い番組では
おばあちゃんの役をして、
大きい鼻の穴をさらに伸ばしながら
変な声をだし、
生理用品のCMに出たり、
紅白にも出ていた。
思ったより若いと、知ったのはずっとあとだった。
先日、チケットが当たったからと誘われて
研ナオコのステージに行った。
シワもハッキリみえるほどの三列目
「時代」
「夏をあきらめて」
「糸」
「あばよ」
「かもめはかもめ」
全部歌える。
切ない時のしぼりだすようなハスキーボイスはデビュー55周年も変わらず。
いろんな人のカバーを聴いたことがあるはずの「糸」では
くちずさみながら
ぐっときて、ハンカチで鼻を押さえていた。
こんなにたくさんのヒット曲を持つ歌手は
あまりいないのではないだろうか。
昭和から時代を背負ってきた
大物の底力を知った。
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「実家はエロ本屋でした」
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