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以前メルマガに書いた記事が 【崖っぷち】
「うっう、ぎやーーー」 「たっくん、もうちょっと寝ててよ」 抱きあげて右手で揺らしながら左手で抱っこ紐を外す。 「ぎえーー、ぎえーー」 「そうだ、ミルク作ろうか。ちょっと待ってて」 左手に抱きかかえたまま立ち上がった。哺乳瓶は台所に朝のものが置いたままで洗ったものがなかった。
「悪いけどちょっと座っててくれるかな」 テレビをつけ、ふわふわのベビー椅子に座らせる。 「ぎやーーー」余計に大きな声で泣き始めた。 「ちょっと待っててって言ってるじゃない。お母さんだって疲れてるんだから」 「ぎやーーー」 哺乳瓶は綺麗に洗って、熱湯で消毒しなくてはならない。こんな時に限ってお湯も沸かしていなかった。 「タロウ、待っててよ。お願いだから」 外はもう暗くなり始めている。まだご飯を作らなくちゃならないのに。トイレにも行きたいのに。
「いい加減にしろ! ちょっとくらい待ってられねえのかよ」 抱っこ紐を掴んでふすまの方に投げた。私ってこんな怒る人だったかしら。頑張っているのに、どうしたらいいのか分からない。こんなに泣いているのは私のせい? ベランダから子どもを投げ捨ててしまう人の気持ちも分かった気がした。自分も投げるか投げないか、ほんの少しのところで留まっているのかもしれない。 「そんなこと言って、分かるの?」 頬を手で拭いながら立ち上がり、湯沸かしポットに水を入れた。お腹がググ、と鳴った。
(了)
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