九州選手権の”前座”に行われた鹿児島選手権。

本来、前座なので、それほど期待は”できない”ことが多い。

県選手権で優勝しても、クラス別では通用しても、オーバーオールの九州選手権では、箸にも棒にもかからないことがある。

名簿からは、ま、昨年優勝の福地選手かな、という勝手な予想だった。

さて、ラインアップしてみると、最後の最後に出てきた中井選手に全ての観客の視線が釘付け。

審査員も、その彼を何度も観ている、見つめているのがわかる。

ちなみに、中”居”ではなく、中”井”(どうでもいいかもしれないが、、)。

彼を昨年、九州クラス別で見た時、でかい、でも、密度も足りない、何せ脚がね、ちょっと、という印象だった。

178センチもあるので、平均身長近いモコモコの選手と比べると、立体感もない、な、頑張ってね、という感じ。

それが、今回は、そう、モコモコモンスターとして仁王立ちしている、舞台の袖で。

当然、彼中心に審査は進む。

順番に見ていこう。

フロントリラックス。

仁王立ち、27歳にしてこのおっさん顔負けの貫禄、良いねえ。

顔も小さく、まさに10等身の今風の体型。

昨年優勝の福地選手の密度には負けるが、ハード感バッチリ。

すごいなこの上半身。

バランスのいい、反対側の前畑くんもビルダーの鏡みたいなシルエットとポージングだが、それすらも霞む。

ダブルバイでも厚みを失わず、器用なバキュームもしっかりとって、広がりも失わない。

サイドチェスト、これ凄い重量感。

大胸筋、三角筋の丸みはもちろん、腕、惚れ惚れします、ヒゲ爺は感動。

前畑くんのバランスの良さに比べ脚の後面の弱さが目立つが、上半身の凄さで吹っ飛ばしてしまう。

サイドトライセップス。

まだデビュー二年目で、この安定感。

広い肩幅をうまく傾けて厚い胸郭をより立体的に魅せるこの憎さよ。

最近の若者は、センスも良い。このポーズ、簡単そうでなかなか難しい。

頭部からカーフまでうまく螺旋系を描いている、ここで勝負あり。

バック、写真ではうまく取れていないが、とんでもない厚みと深み、惚れ惚れする。

ラットスプレッド、丸めがちになる癖がある選手が目立つが、しっかり広がりを保つところも良いね。

臀部から大腿への緊張感も保っている。

最後、アブドミナルアンドサイ。

前畑くんの旨さが光るが、背の高い選手が陥りがちな腕をバンザイした時、厚みも広さも無くしてしまう欠点をうまく、捻りで隠す、これ、彼は彫刻のセンスがあるのかもしれない、などと見ていた。

で、結果は、圧勝。

前畑くんは2位、昨年優勝の福地選手は、3位。

僕は40年近く鹿児島選手権を見てきたが、過去最高の優勝者と思う。

ちなみにこの後、午後から開催された九州選手権、中井くん5位でした、僕は3位でも良かったと思う。

比較審査が、シンプルすぎたのが残念。

とにかく怪物誕生の鹿児島選手権、来年の九州選手権、彼が脚をどう鍛え抜いて出てくるのか、楽しみでならない。

前畑くんもまだ20代、末恐ろしい。

福地選手、最近の若者はポージングが上手いし、かつ基本に忠実。

あれだけの質感を出せる才能がある、もっと上に行きたい、”ならば”、背筋群のマッスルコントロールを再考すべし。