【注意】かなりマイナーな話題ですので、興味のない方はスルー願います。


先週北陸本線沿線を旅したことは、

以前にも書かせて頂きました。

仙台駅前から金沢駅までは、格安の夜行バスで、

金沢駅から目的地である加賀温泉駅までは、

北陸本線の普通列車で向かいました。


普通列車は419系電車だったこともあり、

深い旅情に浸かりながら車窓風景をのんびりと楽しんでいたのですが、

間もなく加賀温泉駅に近づくという頃、

ちょうど粟津駅を発車した時に、こいつが目に飛び込んできたのです。


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明らかに鉄道貨車(タンク車)の廃車体と思われるタンクです!


実はこのタンク体の存在自体は知ってはいたのですが、

この地(粟津駅裏)にある認識はなく、

突然の出現に驚いたわけなのですよ。


電車は無情にも、

タンク体と私の距離を引き裂いてゆきます。

そこで一旦、加賀温泉駅でのひと仕事を終えて、

改めて粟津駅にやってきました。


場所はこちらです。
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タンク体を近くで見るためには、

当然現場での許可を取らなければなりません。

この日は土曜日ということもあり、

事務の女性の方が一人でお仕事をされてました。

さっそく挨拶兼々見学の許可をお願いにあがります。


「すみません。ぜひ奥にあるタンクを見せて頂きたいのですが。」


「えっ?業者の方ですか?現場の担当は不在なんですよ。」


「いえ、趣味でお願いにあがったのですが、

古い貨車で使っていたタンクがあるんですよね。」


「あ~っ、たまにいらっしゃるんですよ。

いいですよ。でも触らないでくださいね」


無事に許可も頂き、近くで見せて頂きました。


なおこのタンク体につきましては、

「3軸貨車の誕生と終焉(戦前編)」

(吉岡心平先生著 ネコ・パブリッシング刊)に

詳細が記載されております。


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北陸本線の列車の車窓から一番手前側に見えるこちらのタンク体、

なんと、大正12年7月に川崎造船所で製作された、

タサ1形(旧形式:ア27320)のものだそうです。


リベット打ちの車体、

端部に寄ったドームが古い時代を感じさせますね。


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タンク体の下端部にある切り欠き部分。


このタンク車が製造された大正12年といえば、

まだバッファー連結器が使用された時代です。

3年後の大正15年には、現在は当たり前となった自動連結器への

一斉交換が予定されていたため、

この連結器と干渉しないように配慮された切り欠きだそうです。


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大正生まれの古典的な形状のドーム部分。


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側面に数多く並ぶリベットが、古典貨車の証です。


この場所には他に2つのタンク体が並んでおりまして、

こちらも貴重な代物でした。


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「No.3」「No.4」とナンバリングされたタンク体、

こちらは昭和12年5月、日車本店で製作された

タサ500(タサ580、581)と思われるタンク体だそうで。

これまた貴重なタンク体なんですよ。


今回ご紹介した、タサ1形・タサ500形

共に今はなき3軸貨車でありました。


走行安定性に問題が残る3軸貨車は一部を除き、

貨物列車のスピードアップが施された

43年10月のダイヤ改正(ヨンサントウ)で淘汰されてしまいました。

ここにある3両のタンク体も、

おそらくはこの時期に合わせてここにやってきたと思われます。


朝から本当にいいものを見せて頂いた一日でした。


あとは快く許可を下さいました北陸オイルサービス㈱様、

大変感謝しておりますよ。