リバプール出身のアーティスト、リンダー・スターリングの日本初個展「Linder: Goddess of the Mind」がシャネルのレクサスホールで開催されています。 (~8月16日(日)・無料)

水曜日の18:00~18:30からはギャラリートーク(展示案内)があり、先週水曜日に行ってきました。

ドリンクサービス(水曜夜限定)で受け取ったノンアルコールカクテル片手にトークを聴きました。(ノンアルコールカクテルか、ペリエのどちらかを選べます。)

 

 

下の作品などはアンディウォーホール的ですが、大量消費社会を謳歌するような作品などでは決してなく、全体的にジェンダーというテーマへの強い問いかけが感じられます。

特に、女性の口元にご注目。同じ顔にてんでばらばらな唇がくっついていて、女性たちを紋切型に押し込めようとする社会への反発とも受け取れます。

 

 

時代背景はといえば、イギリスで丁度パンクが流行った頃。

思ったことを行動に移すこと、それがパンク・・

先日フジフィルムスクエアで開催されていたハービー山口さんの写真展で見かけた言葉です。

ハービーさんがイギリスに乗り込んだのは、折しもパンク絶頂期。

そんな世相を映した英国の写真がいくつもありました。

 

調べて見たら、ハービーさんは1950年、リンダーは1954年生まれでした。

ハービーさんはロンドンを中心に、パンクという形で時代を形作っていく若者を撮り、リンダーはそんな時代にはびこる偏見を写真とコラージュ、いわゆるフォトモンタージュで訴えかけました。

 

 

 

 

 

 

 

 

アメブロの規約に引っかかりそうな写真もあるので多くは載せませんが、衣服を身につけない女性の顔に電化製品の切り抜きがくっついている写真シリーズもあります。

50年近く前のこと、男性の目から見た女性が、家庭に押し込められた性的象徴でしかないことへの抵抗です。

 

人物写真の上に切り抜きを貼り付けたフォトモンタージュ手法は、一昔前の手法ともいえます。

現代なら鋏と糊の代わりにAI加工だのを駆使すればできること。

それでもあえて彼女は今も鋏を手にしています。

結局50年前から今もなお、彼女は主張し続けねばなりません。

 

フェミニズム問題は改善の兆しを見たとしても、新たにSNSによる時に偏見に満ちた白黒判断が蔓延する昨今。

敢えて今立ち止まり、こうあるべきというレッテル貼りの世の中に、立ち向かい続けます。

 

トークでは、リンダーの言葉の引用が紹介されました:
「問いが今なお残っているから、残念ながら自分はまだハサミを置けない」と。


 

この毎週水曜のギャラリートーク、あと残すは8月12日のみです。