◆ 同時代の『伴大納言絵巻』(出光)との違い

◆ 今年は絵巻の当たり年!

◆ 2020年の展示は、若冲展なみの混雑になる?
 ~ 2020年、徳川美術館所蔵分と合わせ、国宝 源氏物語絵巻が五島美術館に集合 ~



5月3日は、ゴールデンウィーク恒例の五島美術館 源氏物語絵巻展へ。


今回は講堂で行われたトークに出席。
これまで何度か本絵巻は見てきたけれど、
気づかされたことが多々あった。

例えば、実際の文章の長さと絵巻のために抜粋された文章量は
各帖ごとにばらつきがある、という点。

実際には『鈴虫』より『夕霧』の方が圧倒的にページ数が割かれている。
けれど、絵巻として抜粋された文章量は、鈴虫の方が多いのだ。
その辺のアンバランスは、謎。



また、書き写した文章には誤字脱字もあり、
その痕跡も、注意深く見ればしっかりたどることができるのだった。

 

 

現在出光美術館では国宝『伴大納言絵巻』が展示中。
先日行ってきたが、
両者を比較すると、その違いはくっきり。

源氏の方は、絵巻の特色を生かした時間の経過を表さず、
固定された一場面をピックアップした上で、その場面と文章が交互になっている。
だから額装として保存することが可能なのだ。


一方『伴大納言絵巻』の方は、巻を開くごとに
時間経過が表れ、
物語の流れは、絵だけで追っていくことができる。


どちらも国宝。
年間展示日数などが定められている。
なるべき季節のいいときに展示するのが好ましく、
それゆえ、2つの国宝絵巻は5月に顔をそろえることになった。

それだけではない。平安時代の国宝「三大絵巻」、
『源氏物語絵巻』『信貴山縁起絵巻』『伴大納言絵巻』すべてが
今の時期お目見えしている。


奈良博ではこの時期『信貴山縁起絵巻』が展示中。
出光の『伴 大納言絵巻』は滅多に出ないので、
この3つが揃うとは、まさに今年は絵巻の当たり年、
なのだそう(学芸員の戸川さんの弁)。

 


トークではさらに、源氏物語五十四帖のうち、
一体どのぐらい絵巻が現存しているのか、といった
各帖ごとの残存状況の説明もあった。

桐壺から夕顔までは一切残っていない。
さらに、断片のみ残るものもある。


そんな中、メインとなるのは
尾張徳川本。三巻強、15面の絵が伝えられている。
現在徳川美術館が所蔵している。


阿波蜂須賀家本は、五島美術館所蔵で一巻弱分ある。
絵としては全4面、該当するのは鈴虫、夕霧、御法の部分。


徳川美術館と五島美術館は、それぞれ所蔵する絵巻の
貸し出しを行っており、次回2020年、五島美術館に
徳川美術館所蔵の源氏物語絵巻と五島所蔵分の絵巻が一同に会することになる。

前回は2-3時間待ちの列ができたそう。


お庭では、富士の花が咲き誇っていた。