セラピストとして気になる本に出会い、久しぶりに読書をしました。

 

『手の倫理』 

少し難しい内容ではありましたが、触れることを仕事にしている私には興味深く、"触れる”ということを色んな角度から深く考える時間になりました。

 

オイルトリートメントを施術するセラピストという仕事をするようになって、

触れることで他人同士であるクライアントとセラピストが互いに”癒し癒される”ことはいつも感じていましたが、

触れることは、関係性やシチュエーションによって感じ方が代わるということを考えさせられました。

 

お客様が私を信頼して、触れさせてくれているということに、感謝の思いと責任を改めて感じました。

 

コロナ禍を経て、タッチレス、リモートといった形で人と直接的、関節的に触れ合うことが減ってきました。

また、SNSの時代、実感を伴わないことで感覚を失った攻撃が増えていたり、

距離感がつかめず、人との関わりあいがとても難しいと感じるようになってきました。

 

直に人に触れるセラピストという仕事がなくなるのではないかと不安になり、先を案じた時期もありました。

 

それでも今、こうしてセラピストという仕事を続けることが出来ています。

 

手で触れるという感覚がもたらすことが、怖さと優しさの相反する面を持っていて、

それでも人は誰にも触れずに、また触れられずに生きていくことは難しいのではないでしょうか。

 

手で触れる物理的なことや心の距離感といったような、怖さも併せ持った、犯してはならない領域を探りながら、それでも"触れる”仕事を続けていきたいと思いました。

 

 

あとがきに書かれていた「盗みさわられ」という行為。

 

私も幼少期に、大人になってからも病気で寝込んでいたときなどに、この「盗みさわられ」の経験があります。
きっと触れていた側も、触られていた私も、なんとも愛おしい時間だったんじゃないかなと懐かしい記憶が蘇り、優しい気持ちになりました。

 

繊細な”触れる”という行為を、愛おしく優しいものにしていきたいと、これから心に留めて仕事を続けていこうと思いました。