【ポリヴェーガル理論とは】

※こちらのブログは2016年のアンソニー・ツイッグの講座を元に
自分用としてまとめています。
ツイッグ、すごく素敵な先生でした♪
ポリヴェーガル理論(多重迷走神経論)とは、
1995年ステファン・ポージェス博士によって
発表された神経系の新しい理解です。
今までは、人の神経系の働きは大きくわけて
『交感神経系と副交感神経系』というのが
一般的な理解でしたが、博士は人類の進化の過程から
副交感神経に含まれる二つの迷走神経の働きに注目しました。
それが、人らしい動きを司る『腹側迷走神経系』と、
原始的な動きを支配する『背側迷走神経系』です。
・腹側迷走神経系(副交感神経系)がヒトらしいコミニュケーションなどに関わる
・交感神経系:神経の高ぶり、緊張などに関わる(良い感じの場合、やる気・活発など)
・背側迷走神経系(副交感神経系):凍りつき・極度のストレス時に関わる(良い感じの場合、深い休息や排泄、呼吸など生命の維持活動など)
この神経系の働きをとても大雑把に言うと、
信号の【青・黄・赤】のようなもの。と言えます。
この働きを理解することで・・・
・今、自分はどのような状態にいるのか。
・それはなぜ、そのようになったのか。
・この状態から抜け出すにはどうすればよいのか。
などを知り、より快適な状態になるよう、
自分でできることも見つかります。いわゆる
「自律神経を整える」ということから、より丁寧に
身体や心の状態を理解し、しっかりアプローチするができます。
また、セラピストがクライアントの神経系の状態を理解することで、
より安全で安心なセッションを提供することができるでしょう。
【理論】
ポリヴェーガル理論は、爬虫類~哺乳類への脳や
身体の進化の過程を通して得た生物学的な発達の視点から、
哺乳類のみが独自にもつ自律神経系を科学的に説明するものです。
この神経の発達の過程を順序立てて理解することは
ヒトの落ち着いた状態やストレス状態(圧倒やフリーズなど)を
見極めるのに役立ちます。
また3つの神経系の特徴を知ることで、
クライアント(や自分)の自動反応を理解したり、
過剰な反応を予防することにも役立つでしょう。
【ポリヴェーガル理論の成り立ち】(かなり短縮しています。)
地球は時間をかけて成長していった。
その進化の過程をウイリアム・スミス(地質学者)の死後、
ダーウィンが引き継いだ。
それをまとめると…
・地球は順に成長していった(地質からみて)。
↓
・生物も同じように順に成長していった。
↓
・私たち人間の体の中には生物の進化の過程が残っている。
ヒトは突然発生したのではなく、適応しながら変化する、
というこを繰り返していった。
↓
・太古の昔、一番進化していたのは骨もなく軟骨と
神経系だけの無顎類。これはゆっくりと物を消化・排泄する、
というこの二つの機能だけを持つ。
これが背側迷走神経(DVC)の起源。
↓
・時間が経ち、新しい神経系を持つものが現れた。
特徴はゆっくり動く、そして速く動く、ターンして向きを変える、など。
これがあることで自己防衛の行動を
取れるようになった。(DVCから派生したSNS)
↓
・そこから水を出て陸へ上がる両生類。
(水から陸へジャンプ。この動きが交感神経系)
そこから進化して爬虫類。トカゲ・蛇など。
この二つの神経系(ゆっくり&速い、
酸素をキープ&戦う)などの時代が二億年。
↓
・しばらくして、ネズミのような生物(哺乳類)が
地下に生まれた。(地上には恐竜)この哺乳類の誕生が
腹側迷走神経系(VVC)。三つ目の神経枝を作った。
今まではONかOFFだけだったのが
OFFをしながらも調整できるようになった。
(※背側迷走神経系から腹側迷走神経系という
ヒトらしい動きを司る神経系が生まれた。)
・ちなみに胎児も母体の中で
魚→トカゲ→ヒトのように、胎内で進化を辿る。
・大雑把にいうと、遅い・速い・洗練された
という3つの特徴の神経系である。
【人を支配する3つの神経系】
<青信号> 副交感神経系:腹側迷走神経系

・VVC:Ventral Vegus Complex
・ヒトらしいコミニュケーションを司るもの/哺乳類
◯目、耳、口、のど周りの神経。また、
首の動き、発声、心臓と肺のペースを保つ/脳、食道、心臓、肺
◯人間にとって自然な状態/するべきことを自然にできる
/心地よい円滑な人間関係を育む/絆の形成と愛着の過程に不可欠
◯動きやすいニュートラルなエネルギー
/自発的なソーシャルエンゲージメント
/制御を判断できる/好奇心/環境の安全を読み取る
<黄信号> 交感神経系

・SNS:Sympathitiv Nerve System
・神経の高ぶり、危険時に優位/硬骨魚、両生類、爬虫類から
◯顔面に限定/内臓器官/視床下部、下垂体、副腎系
◯危険時に優位/活動と準備
/痛み、熱さの感覚を感じて伝える/性的興奮
/日常の活動、集中力、努力/生き残り反応を司る
→闘争・逃走のためのエネルギーを準備/代謝を司る
◯スピードアップしつつあるハイエナジー/素早い判断
●-危険時には-自己防衛の活性化(逃走・闘争に使われる)
/エネルギーの準備/代謝
●-トラウマ由来の蓄積したストレスがある場合(慢性的に優位な状態)-
不安、パニック/絶え間ない緊張/繰り返す攻撃性
/過度の警戒/怒り、恐れ/激しい苦痛、動揺
<赤信号> 副交感神経系:背側迷走神経系

・DVC:Dosal Vegal complex
・もっとも緩やかな植物的な迷走神経系/古代魚から
◯心拍数/呼吸/内蔵
◯致死的状況でニューロセプションに優位/酸素の確保/
◯休息/消化、排泄/睡眠/オーガズム
/恐れを伴わない不動/ローエナジー
/ゆっくり判断/停止/酸素をあまり使わない
※日常の消化と体の回復に不可欠。
絆の形成と愛着過程の一部。
●-危険時には-
シャットダウン/停止/消極的な自己防衛反応(凍りつき・不動)
/感じることの低下(痛み、感情、感覚)
痛みを軽減する神経化学物質も出す。
●-トラウマ由来の蓄積したストレスがある場合
(慢性的に優位な状態)-
うつ/低エネルギー状態/しびれ/乖離
【反応と神経系の処理】
内部や外部で精神的、身体的、環境的に何かが起きる。
↓
ニューロセプション(神経受容でフィルターする。)
そして、以下の1、2、3、いずれかの反応になる。
(※必ずしも順番通りではない)
↓
1)十分安全だとわかると…VVC(青信号)
自発的オリエンテーションが働く(会話するなど)
2)危険を察知すると…SNS(黄信号)逃走・闘争、心拍数上がる、
恐れや不安が強まる、筋緊張、消化、回復遅くなる
3)生命の危険があると察知すると…DVC(赤信号)凍りつき反応、
心拍や呼吸が減少、筋緊張弱まる、痛み減る、
何も感じなくなる、反応が非常に遅くなる(乖離)
【セラピストがセッションのときに生かせること】
・部屋に入ってきたときのクライエントの状態
(姿勢、目の動き、挙動、声のトーン、
顔の筋肉が随意でどれぐらい動かせるか、など)で、
神経系がこの辺の状態だ、と見立てができる。
(その後のセッションを安全に進められる)
・この人の中で何が起きているのか?を理解するのに役立つ。
・クライエントがどのパターンにはまっているのかを知る。
そしてセラピストが神経系をどう変化させるか。
【ポイント】
・ポリヴェーガル理論は「社会神経系」を軸にヒトの状態・行動を理解する。
・今まで『交感神経系・副交感神経系』の二種類で捉えていたものを、
ヒト(哺乳類)が持つ独特の神経系(迷走神経系)からみていくことで
ストレスや症状への理解が深まる。
また、クライアントの状態の背景を理解することで
クライアントへの理解も深まり、より適切なアプローチをすることができる。
・トラウマの特徴を深く知ることができる。(安全なセッションを提供できる。)
・自分自身の理解に役立つ。
・セラピストとしてのスタンスにも役立つ。(神経系の共鳴)
【神経系の安定としてできること】
・深く吐く、ゆっくり吸う、深呼吸を何度か繰り返す
・周りを見渡すように首を動かす(物を見る、認識する)
・コミニュケーション活動をする(誰かとしゃべる)
・EFTをご存知の方はタッピングを♪
・ほか、神経を整える方法自体はたくさんありますので、
好きなもの、やりたいものを見つけてみて下さいね。

※この記事は2016年に開催された
アンソニー・ツイッグのセミナーを参考にしています。
とてもわかりやすく教えてくれました。
ツイッグのサイトはこちらです。(英文です)
※ポリヴェーガル理論の全てを網羅するものではないため、
より詳しく専門的に書かれたサイトなどもご覧ください。
ここでは簡易的にまとめたものを書いております。
=========================
〇お問合せ・お申込みは
=========================
ー 募集中のクラス ー
※すべてオンラインのzoom開催です。