とりあえず電話は切ったものの、どうしたら良いかわからない。
だんなは、出勤時間が来てしまったので、「また後でどうなったか教えて」と、とっとと出掛けちゃうし。(コノヤロ)
しばらくして、二人がご飯を食べに降りてきたので電話のことを切り出した。
「2時頃届けてくれるそうなんで、お金用意しておいてね。」
と言うと「なんで2時なんだ。午前中だと言ったのに。」とぶつぶつ。
しかし、それから郵便局にお金を下ろしに行ったんだから予感的中。9時に届いていたら、やっぱり間に合わなかった。
さて2時になり、荷物が届くとじいさんイソイソと玄関へ。
その時はまだ中身はわからなかったので、45万の品物っていったいナニ!?とわたしは隣の部屋で息を凝らして耳をダンボ。
ちらっと見ると、荷物は大きな箱と細長い箱が2つ。大きな方はガラスケースのようだった。
じいさん、そこで衝撃的な行動に出る。
「あらためさせてもらう」と言うと宅配のおにいさんを待たせたまま
梱包を破りだしたのである。
ひととおり破って中身を確認すると、困惑しているおにいさんを待たせたまま2階にお金を取りに行った。
(え?今から取りにいくのかよ)
2階へ見に行くと、じいさんナニやらゴソゴソ。お金の封筒を探している模様。(用意しとけよ)
時は12月。ちょうどお歳暮の時期とあって宅配業者は猫の手も借りたいほど忙しい時だ。
「おじいちゃん、待たせちゃダメだよ。宅配の人たちも忙しい時なんだから。」と言うと、
「ナニを言っとる!あいつらは仕事だ。待たせてナニが悪い!」
あちゃーこらダメだ。いらないこと言うともっとややこしくなりそう。
足の不自由なじいさんは階段ののぼり下りに時間がかかる。
やっとおにいさんに手渡すとおにいさん、お金を数えた。
しかしどう数えても35万円しかない。
じいさんとすったもんだしている。
おにいさんもこりゃダメだと思ったんだろう。
「おくさーん。おくさーん」とわたしに助け舟を求めて来た。
わたしが出て行くと、じいさんドタドタと再びブツブツ言いながら2階へ。
「ごめんなさいね。ちょっと普通じゃないので・・・」と謝りながらお金を数えるとやっぱり35万しかない。
しばらくしてじいさん再登場。手に10万円を握り締め顔をふと見ると
うわ~フセインだ
顔は既に真っ赤。怒りで体がブルブル震えている。
「わしがちゃんと払うと言っとるのになぜヨメをよぶんだ!午前に来ると言っときながらこんな時間になっとるし。だから○○運輸はだいきらいだ。いつも客をバカにしおって!」
まだ何かいっていたけどあとは日本語になっていない。
おにいさん「すみません。すみません。」とぺこぺこ。(ゴメンよ)
このままじゃまずい。とりあえず、「おじいちゃん、さ、お金払って。おこっちゃいかん、ね。」
わたしもあせって何言ったか忘れたけど、怒りで硬直したじいさんの手から
10万円をもぎ取って、おにいさんに渡し、受け取りにハンコを押しておにいさんに渡した。
おにいさん強ばった顔のままお金を確認してそそくさと帰って行った。
おにいさんこの間、足止め約40分。本当に申し訳ない。
え?そのあと?わたしもとっととその場を離れた。
瞬間湯沸かし器は怒りをぶつける相手がいなくなって、急速にさめたんだろう。届いた荷物をえっちらえっちら運び出した。
さすがにガラスケースだけは、拒んでもわたしが運んだけど。
とにかく、そんなわけで、じいさんたちの部屋には「かんのんさま」が今日も鎮座していらっしゃいます。


