さて、Jは遠く空のかなたに行ってしまった。
2週間ぶりのウチ。
貧乏添乗員の私は実家に住んでいたのだ。
両親と私とわんこ、の4人暮らし。
姉2人はとっくに家を出て一人暮らしやら、所帯を持ったりしていた。
双子の相方の姉、ぷちがなぜ家をでたか。
それは両親の干渉をこれ以上うけたくなかったから。
このごろはどこのうちもとても放任主義らしい。
私の後輩のおんなのこなんか、実家にオトコノコを
黙って連れ込んでも何も言われないというびっくり仰天の
ご時世だが、
うちはとおおおおおおってもキビシかった。
「ウチにいるんなら勝手は許さんぞ!
いやなら出て行け!」
が口癖のオヤジ。
そんな親に
「インターネットで知り合ったアメリカ人と2週間旅に出ます」
なんてそんなこと口が裂けても言えない。
そこで私は嘘をついた。
ええ、真っ赤なウソですわ。
添乗員という立場を利用して、
「2週間アメリカ人のお客さんたちをアテンドするんだー。」
いや、まちがってはいない・・・。アメリカ人、2週間・・・・
嘘をついたのは仕事でないことと、相手がひとりなこと・・・・。(ってそれが重要だ!)
2週間のうち、母からは時々電話が入り、そのたび事実を隠して
振る舞い、とても胸が痛んだ。
でも正直に話して行かせてくれたか?
絶対家からださないか、家から追い出されるかどっちかでしょう。
家に帰ってきた私をねぎらってくれる母。
すごーーーーーーーーーーくつらかった・・・・。
早くほんとのことを話さねば、と思っていた。
そしてある日、9月にボストンに遊びに行くことを母にちらっと
ほのめかしてみた。
母(すんごい疑わしそうに)「え・・・?あの文通のひと?会いに行くの?」
私「うん、ボストンにも行ってみたいしさあ(あくまでさりげなく)」
母「そんなこと言ったって・・・会ったこともない人でしょう?危ないわよそんな人を頼っていくのは」
そこで正直に話すべきだったのだ。全部。しかし話して9月の旅行を
止められたくなかった私はまたしても嘘をついた。
「実は、会ったことがあるんだぁ。あっちが日本に仕事で来ててね。
2週間のうち何回か会った。 だから大丈夫」
今から考えるとホントにバカバカバカ!である。
きちんと話してわかってもらえばいいものを・・・私は逃げていた。
そして真実は最悪のかたち
で知らされることになる・・・。
その会話の後、私は5日間の添乗に出ていた。
朝が早いため、空港近くのホテルに前泊。
夜10時ごろチェックインしてすぐ、ケイタイが鳴った。
姉、ぷちだった。姉にはJのことは正直に話し、会わせてもいた。
姉「ねえ、大変なことになっちゃった。お母さんから電話かかってきてさあ、
アンタのこと相談されたんだよね。”APRICOTったらあの文通のひとに
会いに行くなんて言ってんのよ。だから会ったこともないのに、って言ったら
会ったことあるっていうのよねえ”っていうからさあ、
そうだよ、
2週間ずっと一緒に旅行してたじゃん、
って言っちゃったんだよねえぇ。アンタそれ正直に話してなかったの? 」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。(ばたっ)←ケイタイを取り落とす音
それからのことはよく覚えてません・・・・。
「帰ったら家族会議だってさ」
ということばがアタマの中で鳴り響いていたような・・・。
なんてバッドタイミング・・・・。
この添乗が終わったら正直に言おうと思ってたのに・・・。
真剣な交際であることをじっくりわかってもらおうと思ったのに・・・・。
そんなことをいくら言ったって、もはや「たら(鱈)、は北海道。れば(レバー)、は肉屋」である。←古い!
後のまつりぃー。
帰ったらどんな修羅場が待っていることか・・・・絶望的な気分で過ごした
5日間でした。
姉はそのときのことを振り返って、「だってそこまでウソつくと思わないじゃないの、
往生際の悪いアンタが悪い」という・・・。
はい、ごもっとも。私が悪うございましたああああぁ。