年が明けて しばらく経った頃の、振り返り話です。
旦那さんと朝食を食べていた時に『そういえばさ、年末ぐらいから小皿が1枚見当たらないんだよね〜知らない?』と、なんのけなしに聞いたら、彼がひとこと。
『捨てといたよ。ヒビが入ってたから』
へ っ ಠ_ಠ
『え、えぇ、なんで?なんで勝手に捨てたの!?』
『えっ、だって割れて、あなたがケガしたら大変じゃん』
『ヒビが薄っすら入ってるのは知ってたよ!でも、割れる気配なんてまったく無かったから、割れるその時まで使いたかったの!このブランドのお皿好きなんだ、っていつも話してるじゃん!捨てた小皿のシリーズは廃盤でもう手に入らないのに、たくさんは買えないから、時間をかけて選んだのに!!』
そんなで言い争い、勃発。
どうやら、私が年末に仕事で家を空けていた時期に、休暇に入っていた彼が勝手にゴミに出していたとな!年末年始、いそがしくて気が付かなかった····!
捨てるにしても一言断らなかったのが信じられない私 vs 私を思いやっての行動と主張する彼、で、両者一歩も譲らず。とはいえ、こういう修羅場で強気に出るのは、いつも私の側なんです。
しまいにゃ彼が『奥さんは優しくて、いつも僕の味方をしてくれるはずなのに····僕の奥さんを返せ〜!』とまで、言い出し始めた。
優しいからといって、怒りの感情が湧かないわけがないだろ!と呆れながらも、私の中で諦めがついたんです。
(仕方ないか····新しい小皿を買おう。好きなやつを選んでも、今回は文句を言わないだろうし····)と、新しい企みが芽ばえていたにも関わらず、なんだかイジワル心が過って、彼へ『代わりの小皿、用意してほしいわー』と、本心とは裏腹なことを口にしました。趣味でないものを用意されても困るだけなのに、“懲らしめてやろう”という魔が差したんです。
すると、彼の表情から困惑さがみるみると消えて、冷めきった様子で『アリサ、ひどい。今の言葉、ずっと忘れないから』とだけ言って、しょぼくれながら家を出ていきました。
心なしか玄関の扉を閉めるときも、バタン!と、いつもより大きな音を立てていたような。
1人になって『しまった、皿とは比べものにならないぐらい、夫婦間にヒビが入ったわ』と、ハッとました。
なんだか気持ちが落ち着かなかったので、幼なじみに事情を話したら『そりゃアリサが怒って当然だよ〜勝手に捨てるだなんて!』と同情されて、そうだろそうだろ、私側に正義はあるもんね!と、いったんは思えたのですがね。
小皿、時間をかけて選んだわけだけど、彼のいない日中にしていたことだし、そんな背景知る由もないよなぁ····という考えも挟みこまれたりして、お昼過ぎに私から『言い過ぎたよ、ごめんね』と、メッセージを送りました。
なかなか既読にならない珍しい事態に、拗ねてしばらく口をきいてもらえなかったらどうしよう····と、不安も覚えました。
夜、帰宅した私を出迎えた彼から『今日は1日中、代わりのお皿をネットで探してたんだ』と言われました。(←仕事しろよ)
改めて『ひどい言い方をしてごめんね、新しいのを買うから、もう気にしないから。でも今度から共有の持ち物は、勝手には捨てないでほしいな♡(←最大限の可愛さを込めて)』と、伝えたら
『僕もごめん。でも激しく罵らなくてもさ、一回注意されたら僕は学習するし、二度と勝手に捨てたりはしないから』と返されました。そうだな、言えば伝わる人だったのに、私もしつこかったよなぁ。
日ごろ、心が通い合っている関係だからこそ、相手のいじわるを瞬時に察知してしまうわけで、あの一言は本当に不躾で不要だったなと、恥を知りました。
私にとって、お皿よりも彼の存在がうんと大切なのだから、大切な人を大切にし続けるために、自分の正義の舞台から降りなきゃならない時があるのだと学びました。
数日が経ってから、夫婦間で起きた一連の騒ぎについて『あそこで学ばなかったら、家の外、おそらくは仕事場で、スケールアップした似たような出来事に見舞われて、自分の正義感から引きずり降ろされる事態になっていただろうな』と、察し取りました。
いちばん身近な小さくも優しい世界の中で、真理にたどり着けて、良かったはずなんです。
彼との世界でその兆しを見逃さずに、なるべく社会では自分からは荒波を立てないように努めてゆく。それが2人で世を渡ってゆく、ということでもあるのですかね。
Arisa