こんにちは。Akihisaです。
毎日パソコンに向かって、Photoshopを立ち上げる。そして、「新規ファイル」を作る。
画面にぽっかりと現れるのは、一点の染みもない、完璧に真っ白なキャンバスです。
長年、イラストを描く仕事をしてきたぼくにとっても、この「何もない白い空間」に、最初の1本の線を引くというのは、いつまでたっても、なかなかに勇気がいる作業です。
「さあ、今日もいいものを描くぞ」
そうやって肩に力を入れて意気込めば意気込むほど、なんだか見えない重力みたいなものにぐぐぐっと引っ張られて、持ったペンが空中でピタッと止まってしまう。
で、急に机のまわりを片付け始めたり、本棚の背表紙を眺めたり、コーヒーを淹れに行きたくなったりする。
本当に困ったものです。
でも、最近のぼくは、この最初の「よっこいしょ」というハードルを越えるために、AIをちょっとした「種まき係」みたいに使っています。
ふかふかの土に、野菜の種をパラパラッとまいてみるみたいに。
とりあえず、AIに向かって、思いついたままいくつかの言葉をぽんぽんと投げてみる。
すると彼らは、すごいスピードで芽を出してくれます。
時には、こちらの想像を飛び越えて、とんでもない配色だったりアイデアだったり、ちょっと人間には思いつかないような不思議な構図だったりを、ポン、ポン、ポンと目の前に並べてくれるます。
それを見ていると、ぼくの中の「描くぞ」というスイッチが、いつの間にかカチッと切り替わります。
「あ、この色の組み合わせは面白いな」とか。
「いやいや、こっちの方が自分の好みに合ってるぞ」とか。
AIが投げてくれた無数の「偶然」の中から、自分の心のアンテナがピクッと反応したものだけを、手でそっと拾い上げる。
そこからはもう、ぼくの時間です。
拾い上げた種から出た芽に、自分なりのタッチやスタイルという水を与え、光を当てて、じっくりと自分の色に育てていく。
これって、モノものづくりにおいて、すごく前向きで、健やかなことなんじゃないかと思っています。
イラスト制作の現場に、これからAIをどう組み込んでいけるのか。
ぼく自身、まだまだ日々模索中ではあります。
でも、どんなに技術が進んで、いろんなことがあっという間に自動化されていったとしても、「これがいい」「これが好きだ」と選んで、結局最後にポンとハンコを押すのは、他の誰でもない、自分自身なんですよね。
今日も、画面の向こうにいる風変わりで働き者な相棒と、「ああでもない、こうでもない」とやり取りしながら、ぼくはぼくの線を、マイペースに引いていこうと思います。
それではまた。
イラストNO.cif117
