私のもとへやってきた軽自動車。
外も中も埃まみれ。
ちょうど目の前部分
フロントガラスには
べっとりと油膜がはっていた。
朝から息子たちの送迎で
車に乗り込み
まぁ、しばらくの間
よろしくね。と声をかけながら
エンジンをかける。
エアコンの吹き出し口から
ほこり臭い熱風。
走り出しても
一向に冷たい風が出てくる気配がない。
「マジか・・・」
エアコンが効かなくなってる。
こんな猛暑で
エアコンが壊れてるまま
この車は使われていた。
私は愛車を思い出していた。
廃車になるのがわかっていたけれど
ギリギリ最後まで
修理しながら心地いい状態で
私はその車に乗った。
古くなってるし、仕方ないね。と
壊れててもそのまま放置はできなかった。
その車に乗ってる間
不快なのは嫌だった。
不快なのは車のせいじゃない。
快適な状態にしていないことが原因なのに
もう古いから、
どうせ廃車だから、
と
こちらの勝手な言い分で
乗り心地が良くないことを
車のせいにするのはお門違いだ。
そんなふうに考えた。
そして、そんなふうにしたい
私自身の気持ちを
一番に尊重した。
そんなふうに
愛車と最後まで共にしたから
この軽自動車が
私の世界とリンクしなかった。
この車に乗っていると
苦しくなった。
つづく