Netflixで観た映画です。


元は舞台劇だったそうです。無戸籍児童の話。

と、言うと簡単なようですが、自分が何者でもないということが(名をなしていないと言う以前の、前提ですらない)これほど人を狂わせるのかと思わされる作品でした。



同棲していた彼氏から求婚され、喜びに目を潤ませていた市子。

しかし、その直後姿を眩ませます。



断片的に市子の過去が挟み込まれ、彼女の日常は学校の友達から蔑まれ、敬遠されて来たのだということが分かるのですが、一般客の感想を読むとこれが分かりにくいと。




私も時間が行ったり来たりするので、何故かと思って観ていましたが、このエピソードがラストに繋がるのかな。



精一杯好かれるようにして、信頼していた人たちからも嫌われてしまったと分かった時の喪失感。




母親役の中村ゆりが美しすぎて、本当は不幸の根源なのに儚く哀れに見えました。



この話は、杉咲花の演技力で成立したと思います。



現実の事件は「どうしてこうなるの?」と理解出来ないことが多いですが、この映画を観ていると納得してしまいました。

ひとつ目のボタンを掛け違えてしまうと、その後も全てずれて行ってしまう。




思い通りに行かない人生でも、「普通」に生きて行けたら、それほど苦労せずに生きていける道がこの国にはある。

でも無戸籍の子供たちには、それさえも閉ざされているのだ。



私にはホラーのように感じた映画ですが、無戸籍の子供がどうやってこの社会で生きて来たか、出来れば観てほしいと思います。