「フラッシュバルブメモリ」について
皆さん、こんばんは。1月の「心理学講座」です。
2001年に米国で起きた【同時多発テロ】など、世界的な重大事件は否が応にも記憶に残ります。
このような場合は、長い時間が経ってからも、その時、どこで、誰と、何をしていたかなどについても鮮明に思い出せることが判っています。
この記憶現象は、写真のフラッシュをたくことになぞらえて【フラッシュバルブ・メモリー(閃光記憶)】と呼ばれます。重大事件は報道などで繰り返し見聞きするため、記憶に長く残ると考えられています。
◆「いつ」「どこで」を間違える理由
しかし、これらの記憶が鮮明だからといって、正確だとは限りません。
大事件の直後に、実験参加者がどこで何をしていたかなどを聞いて記録しておき、例えば1年後に再び質問すると、記録と異なることを鮮明に覚えていたという事例が報告されています。
★実験心理学者・高橋雅延博士曰く
「閃光記憶がゆがむのは、その後、何度も脳の【前頭前野】で想起され、再構成されることによります」
「元々、《いつ、どこで》といった情報は、出来事が記憶された時に、ほとんど注意が向けられていません。それでも強引に思い出そうとする結果、情報源(ソース)を頭の中で探る能力である【ソースモニタリング】のエラーが起きるのです」
しかも、正確な記憶ではないのに、確信度は強い傾向があります。
1992年に報告された研究では、1986年に起きた【チャレンジャー号の爆発事故】を知った時の記憶と確信度について、106人の学生に尋ねました。
2年半後に再度尋ねたところ、内容の一貫性は低かったにもかかわらず、確信度の平均値は5段階中4.17と高かったのです。
それどころか、事実とは異なる記憶が《埋め込まれた》例も報告されています。例えば、1992年にオランダ、アムステルダムで貨物機がアパートに激突する事故が起きました。
事故の10ヶ月後に「貨物機がアパートに激突した瞬間の映像を見たか」と大学生に尋ねたところ、回答者の半数以上が見たと答えました。しかし実際には、そのような映像は存在しなかったのです。(一部転載終了)
(参考書籍)ゼロからわかる心理学(別冊ニュートン)
その記憶、鮮明なのに間違ってる



