空海は自らの運命を変えることになった、いや、この国の行く末にまで大きな影響を及ぼすことになる、その青年の日の、師との出会いをこう語る。
「ある日、ひとりの求道者が私に、『虚空蔵聞持の法』を授けてくれた。その経文はこう説いていた。《もし人が行法にのっとってこの真言を100万遍誦(べんしょう)すれば、すなわち一切の教典を暗記することができる》と。仏陀の誠言を信じ、私は身を粉にするような修行に入った」(『三教指帰』)
『虚空蔵聞持の法』は『虚空蔵求聞持法』ともいい、虚空のごとく無量の智慧や功徳を有する虚空蔵菩薩を本尊に、その真言を1日1万回、100日間唱え続ける苦行である。が、この修法に成功すれば、見聞・知覚したすべてを忘れることがない力を得ることができるとされている。
いや、そればかりか、修行の深さによっては、そんな超越的な記憶力・洞察力にプラスして、大神通の呪力をも獲得できるというのだ。
空海はもちろん、そのもっとも厳しい修行の道を選んだ。が、さらに大切なことは空海その人がここで密教に触れたということだ。当時、この国にはまだ密教は正式には渡来していなかった。が、体系化されていない密教・・・純粋密教の断片ともいうべき‟雑密”を修している宗教者集団がすでに存在していた。
前鬼と後鬼を従えた役行者
役小角(役行者)が開いた修験道だ。役小角(役行者)は、『孔雀明王経法』の密教秘法を、この国の人として最初に成就している。
『虚空蔵聞持の法』も‟山のルート”を通して伝えられ、修験道の行者によって修されていたのだ。空海にそれを伝えた師の名は知られていないが、当然、優れた修験者だったはずである。山林に深く魅かれていた空海だからこそ、持つことができた幸運な出会いだったのだ。
そして、空海は秘法の成就に向かって命がけの苦行を開始した。俗世間を離れた静寂の地を求めて四国に渡り、阿波・大滝嶽(おおたきだけ)によじ登り、石鎚山に瞑想し、室戸岬の洞窟に結跏趺坐(けっかふざ)した時は、骨と皮ばかりに痩せこけていた。
修験道の開祖・役行者~(最終回)(9/19)より「孔雀明王」
深夜の闇を、空海の唱える真言が満たす。
「ノウボウ・アキャシャ・ギャラバヤ・オン・アリ・キャマリ・ボリ・ソワカ 」
室戸岬の御厨人窟(みくろど)~左手に「弘法大師修行之地の石碑」
真言を唱え、虚空蔵菩薩の化身である「明けの明星」を心に観じ、さらに真言を唱え続ける。やがて夜明けが近づき、空に明星が姿を現す。
空海と縁の深い虚空蔵菩薩(福聚山観音寺)より
と、その明星がにわかに輝きを増したかと思うと、突然、動いた。その光の塊はみるみる洞窟に接近し、洞内にあふれ、やがてすさまじい衝撃とともに、空海の口中に飛び込んできた。その瞬間、空海は虚空蔵菩薩と一体化した。体内に溢れる虚空蔵菩薩の無量無辺の力を実感した。いま、『虚空蔵聞持の法』の秘法は成就したのだ。空海の前に、果てのない智慧の光の海が、今まさに明け染めたのである。(『密教の本~驚くべき秘儀・修法の世界』より)
(次回へ続く)
宇宙図書館と「虚空蔵菩薩真言」(3/30)より
(関)
「地球外生命体からの記憶というのは、我々人間に宿っているのでしょうか?」
(バシャール)
「はい、宿っています。また、たとえば、現代の科学者が実験などをして、新しい発見をされたようなものが、古代の記憶や地球外生命体からの情報である場合も多いのです。」
(関)
「要は、宇宙からインスピレーションやテレパシーとして情報が落とされているわけですよね?それを我々一人ひとりがキャッチできるかどうかですよね?」
(バシャール)
「はい、そうです。様々な文明や文化の中で、たとえば、聖人と呼ばれているような方であったり、シャーマンと呼ばれているような人たちは、特定の訓練を受けて、こういった特殊な情報を(宇宙から)ダウンロードしています。人々に役立てるため、そういう情報を降ろして伝えるという役割です。しかし、これは宇宙の叡智ですから、誰しもが適切な周波数の状態に入ったら、(情報を)ダウンロードして受け取ることができるようになります。」(引用終了)
名だたる科学者たちが『虚空蔵聞持の法』を修得したわけではありませんが、「アキャシャ=アカシック=アカシックレコード(宇宙図書館)」ですから、無意識に宇宙の叡智をダウンロードしていたのです。アカシックレコードについては、いつかまた取り上げます。![]()
虚空蔵菩薩像(東京国立博物館蔵 )
なお、虚空蔵菩薩は右手に宝剣、左手に如意宝珠を持つものと、右手は掌を見せて下げる与願印(よがんいん)の印相とし、左手に如意宝珠を持つものとがあります(上図は後者)。また、役行者が成就した「孔雀明王経法」ですが、孔雀明王も如意宝珠を左手に持っています。
如意宝珠は、有料記事「見えない糸に導かれて~Vol.4」でお伝えした奈良県にあります〇〇寺の納経塔に大切に埋められていたわけですが、現在はこの納経塔には誰人も近づくことは出来なくなっています。寺院関係者が仰るには・・・
「あの納経塔は弘法大師様の魂でございます。どなたも見ることはできません。」
最後になりましたが、空海さんが虚空蔵聞持法を成就した「御厨人窟」の写真ですが、3月4日に訪れた際に撮影しました。
「四国8の字の旅」で一切触れていないのは、「聖地とも言える場所で、興味本位で近づく者が増えたら困る」、ということで掲載を禁止されたからです。今回、空海さんの生涯を連載するにあたって許可をいただきました。ではでは~![]()
虚空蔵菩薩真言








