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≪円盤旅行(月編)≫(青字は少年ペドリゥート)
スーパーコンピューターの指示待ちでそこにとどまっている間、アミは日本のTVに波長を合わせた。テレビのインタビューアーが通行人にマイクを向けてインタビューしている。一人の女の人が空の方を指さして、「UFOの目撃証言」をしているらしい。
(何を言ってるの?)
「UFOを見たんだってさ・・全く頭のおかしい人はどこにでもいるよ・・」
その後、メガネをかけた男性が黒板に何かを描きながら説明していた。彼は天文学者だということがわかった。アミは翻訳器を使っていたので、男の人が話している言葉がわかるらしく、番組の流れをよく理解しているようだった。
(何を言ってるの?)
「地球をのぞいて銀河系には知的生物が存在していないことは科学的に証明されていると彼は言っている。そしてUFOらしきものを見た人たちは集団幻覚に襲われているのだとして、精神科に行くことを勧めている。また、地球のように高度に発達した文明は宇宙に存在しているだろう、でもそれは計算によると2000もの銀河系宇宙にたった一つの割合になるとも言っている。」
(それはどういう意味?)
「もしこの銀河系だけでも数百万もの文明があると知ったら、彼は取り乱すだろうね・・」
しばらく二人して笑った。僕にとって科学者から「UFOは存在しない」ということを聞くのは滑稽なことだった・・だって、僕はその番組をUFOから見ているんだから・・。表示ランプが消えた。「自由になったよ」とアミが言った。
(じゃ、またどこか他のところに行けるの?)
「もちろん、今度はどこへ行ってみたい?」
(う~ん イースター島!)
「あそこは今、夜だよ。ほらみてごらん!もう着いたよ」
(ここがイースター島?なんて速いんだ!)
「速いと思う?じゃちょっと待って・・窓の外を注意してみていてごらん!)
すぐに風景が変わり、今度は奇妙な砂漠の上にいる。空は少し暗すぎる感じで、青みがかった月だけが明るく、あとはほとんど真黒だった。
(ここはどこ?アリゾナ?)
「月だよ」
(えっ!月?!じゃ、あれは・・・)
今までてっきり月だと思っていた空の星を指さして聞いた。
「地球だよ。」
(えっ、地球!?)
驚嘆のあまり口が開いたままだった。それは実際、水色をした本当の地球だった。あんな小さな星の中に山や海やたくさんの大きな建物があるのかと思うと、とても信じられない気持ちだった。突然、太陽が目に入った。地球よりもはるかに遠くに見えたけど、ずっと眩しかった。
(どうしてあんなに小さく見えるの?)
「ここはルーペのように、拡大して見せる作用をする大気圏がないから、地球で見るよりもずっと小さく見えるんだよ。でも、もしこの特製ガラスの窓を通さずに見たら、あの小さな太陽は君を焼き殺してしまうよ。有害なある種の光線を濾過してくれる大気がないためにね」
月の光景は全然好きになれなかった。荒れ果てた感じで薄暗く、怪しげな世界だった。地球から見た方がずっと綺麗に見えた。
(今度はもっと綺麗なところへ行けない?)
「人の住んでいるところ?」・・とアミが僕に聞いた。
(もちろん!でも怪物のいないところね・・)
「だとすると、ずいぶん遠くに行かなくちゃいけないね」
・・と言ってアミは操縦桿を動かした。
「アミ 小さな宇宙人:エンリオ・バリオス 著」(徳間書店)より
月と地球~ 「かぐや」 が見た「ふるさと」~
【チーム・アグネス情報掲示板】
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