ますます“悪魔化”する 東電・原子力ムラの悪党たち(日刊ゲンダイ)
こんなバカな話があるものか。福島第1原発の事故当時、東京電力の社内マニュアルに「炉心溶融」(メルトダウン)を判定する基準が明記してあったのに、5年間もその存在に東電社員は誰ひとりとして気付かなかったというのだ。
2010年4月に改訂された「原子力災害対策マニュアル」には「炉心損傷割合が5%を超えていれば炉心溶融と判定する」と明記されていた。
東電は11年3月14日の朝には、1号機の炉心損傷割合が55%、3号機も30%と確認。マニュアルに基づけば、事故発生から3日後には「炉心溶融」と判定・公表できていたはずだ。
ところが、東電は当時、炉心溶融の可能性を十分に認識しながら、あえて「炉心損傷」という表現を使い続け、より深刻な印象を与える「溶融」という言葉を避け続けてきた。
「炉心溶融」を公表したのは、事故から実に2カ月後の11年5月のこと。公表が遅れた理由を今の今まで「判断の根拠がなかった」と説明してきたのだが、その「判断の根拠」は社内マニュアルにバッチリ記載されていたわけだ。
マニュアルの判定基準について東電は、柏崎刈羽原発を抱え、原発事故の検証を続ける新潟県の技術委員会の求めで、今月に当時の経緯を調べ直すまで「気付かなかった」と説明したが、5年近くも放置されたことには違和感を覚える。
再稼働のため国民にまた1つウソをつ<
「端的に言って『東電はまた、ウソをついているな』という印象です。判定基準に5年も気付かないなんて、絶対にあり得ません」と、元経産官僚の古賀茂明氏はこう言った。
「官僚だった私から見ても東電の職員は官僚以上に官僚的です。事故当時のマニュアルは13年12月に全面改訂され、炉心溶融の記載は消えましたが、彼らは“白地に絵を描く”ことはしません。のちの説明のため、以前のマニュアルを詳しく確認し、記載の変更理由をしっかり整理する。新旧対照表の作成もルーティンワークのはずです。もちろん、事故当時だって炉心溶融の判定基準に気付いていたと思いますよ。今になって判定基準の存在を明かしたのは、恐らく東電が早期再稼働を目指す柏崎刈羽6、7号機の敷地内に活断層がないことが確定し、安全審査の先が見えてきたからです」
新潟県の泉田知事は「2カ月もメルトダウンが分からなかったとしたら、原発を運転する資格はない」と、東電を厳しく追及。再稼働を議論する前提として原発事故の検証と総括を東電に求めてきた。
「東電にとって悲願である柏崎刈羽原発の再稼働に向け、いつかは泉田知事に『炉心溶融』の判定基準の存在を説明するしかありませんでしたが、“今まで隠蔽してきました”とは口が裂けても言えない。だから、“うっかりミス”でごまかすことに決めたのでしょう」(古賀茂明氏=前出)
(下のニュース動画を参照してください)
要するに原発を再び動かすために、東電はまた国民を欺いているということだ。改めて、この企業の隠蔽、ウソつき体質にはヘドが出る。(かなり長いので中略します)
未曾有の事故から、たった5年で原子力ムラの住人が息を吹き返し、原発無法地帯と化しつつあるニッポン。この先、再び放射能被害に見舞われるまで、国民は原子力ムラの暴走を黙認するつもりなのか。
京大原子炉実験所(大阪府熊取町)で研究を続け、原発に反対してきた「熊取6人衆」。昨年退官した小出裕章氏に続き、最後のひとりとなった今中哲二助教が定年を迎えた。今月10日の市民向けの最後の講義で、今中氏は力強く断言した。
「原発は、安全か、危険かという問題ではない。原発は危険だ。原発がある限り、事故は起きる」
まともな理屈が通じない国は滅びるしかない。
東電元会長ら3人を強制起訴へ 原発事故めぐり(16/02/26)
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