『東京ブラックアウト』若杉冽×古賀茂明 告発対談 「キャリア官僚はメルトダウン中に再稼働を考え始める生き物です」
『東京ブラックアウト』は、フクシマ原発の事故後、原子力ムラの思惑通りに原発が次々再稼働して行く過程を描写するところから始まるノンフィクションノベルだ。その後、再稼働した「新崎原発」がテロにあい、全電源を喪失、メルトダウンする。避難計画は機能せず、やがて東京にも放射能の雨と雪が降りそそぐ・・・・・・。(続きは元記事で)
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私が取り上げたいのは「避難計画は機能せず」という点です。
川内原発が最も早く再稼働されるわけですが、ご存知のように九州の南半分には数々のカルデラ群があります。川内原発は周辺の火山噴火の影響などが十分反映されていないと専門家から批判されておりますし、火山灰が電気設備に入りこむと漏電、ショートを引き起こして、大規模な停電も発生します。
また、「火山噴火リスクが高まった時点で核燃料棒取り出しをすればよい」などと寝ぼけたことも言っています。核燃料棒取り出しには最低でも数か月、通常は数年かかる作業なのに・・。そして問題の住民の避難計画も詳細は示されていません。まぁ、初めからやる気がないとしか言いようがないです。
《メルトダウン再び》
「なんだと、メルトダウンだぁ!逃げるべぇ」
原発から30キロ圏内のUPZ(緊急時防護措置準備区域)の住民はもちろん、UPZ外の県庁所在地たる新崎市などの住民も、着の身着のままで、乗用車で一斉に自宅を飛び出していった。新崎県内の県道、国道、高速道は、数十分のうちにすべて大渋滞となった。みなテレビを見て、慌てて集落から逃げ出してきたのだ。
原子力災害対策特別措置法に基づいて原子力規制委員会が定めた原子力災害対策指針上の整理では、まだUPZの住民は屋内退避指示の対象であるので、UPZの住民が避難を開始することは想定されていない。しかし、屋内に留まる指示であることについて住民は認識する由もないし、屋内退避の指示に従う義務もないのだ。
一時退避場所の公園では、自家用車に分乗しきれずに残された住民たちが、バスの到着を待っていた。しかし、バスが到着する前に、周辺道路は既に大渋滞となってしまっている。
すると、周辺の放射線量が徐々に上がり、格納容器が破損している可能性も出てきていることが、ネットを見た若手の住民から口頭で伝わってきた。
「俺たち、どうするべえか?」
「このままここでバス待っとったら、死ぬど」
足はない・・しかし放射能は襲ってくる。
「しかしあんめぇ、歩いて逃げべぇ」
「どこへ、逃げたらいいさ」
「とりあえず、市役所に向かおう。きっと、どうすっか教えてくれるっぺ」
「知り合いがいたら乗せてもらうべ」
こう決めた住民たちは、とぼとぼと国道を市役所のほうに向かって歩いていく。ちょうどヒロシマの原爆投下のあとに、被災者が郊外へ向け、さまよい歩いていったように・・。
(次回へつづく)

