ダッフィー 登場人物 ダッフィー


ミッキー 山下美生 ・・・ K音大3年生 ピアノ専攻

             負けず嫌い

             背が高く、スタイルがいい 童顔

             料理上手


ミッキー 森田柊也 ・・・ 同大学3年生 バイオリン専攻

             天真爛漫

             一見チャランポランに見えるが、

             意外と真面目な面も


ミッキー 工藤涼 ・・・ 美生の高校時代の同級生で彼氏だった


ミッキー 山下礼司 ・・・ 美生の3歳上の兄

             容姿端麗 ほとんどのことに万能

             3年前は大学生でモデル



デールダッフィー 今までのお話し デールダッフィー


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~~~

腹部に激しい痛みを訴えた美生の様子を見た途端、

正気に戻り、怖気づいた涼は、救急車を呼んだが、

彼女のお腹の中の尊い生命は、既に絶たれていた。

涼のしたことに対し、傷害として、警察への通報に、周りが踏み込もうとしたが、

美生の強い拒否で、それはしないままだった。

更に彼女の顔や身体の所々には、涼に殴られ、蹴られた時の痣ができたが、

幸いにも骨などには異常がなく、

痣は日を追う毎に、薄くなり、無くなるとのことで問題はなかった。

ただ4ヶ月に入ってからの流産ということもあり、

美生は搬送された産科で処置を施され、入院を強要された。

そして5日後の、退院当日。

産科の個室で、まとめた荷物を眺めながら、美生は茫然自失になっていた。

その目は、とても腫れぼったい。

入院している間、ずっと彼女は声を押し殺し泣き続けていた。

医師からは、また望めば赤ちゃんは産めるとの言葉をもらってはいたが、

美生にとっては、失われた生命の重さが、強く圧し掛かっていた。

ーー私の赤ちゃん・・・女の子だったと聞いた。

   どんな子だったのかな。

   私は産んであげることができなかったんだね。

美生は生まれてくるはずだった子の成長を想像すると胸が苦しくなった。

「 美生・・・大丈夫か?

  もうそろそろ出ようか。

  父さんと母さんは、早めに仕事を切り上げて帰って来るらしい。

  母さんは、美生の好きなものを作るって言っていたぞ。

  ”楽しみにしていて!” だって・・・。

  お前のこと、まだ子供扱いしてるよな!

  けど、いいなぁ~美生は! 

  オレなんか、たまに実家に帰っても、そういう待遇にはならないぞ!

迎えに来てくれた兄の礼司は、笑ってみせると、声を潜め、

「 荷物はオレが持つよ。

  先生や看護師さんたちに挨拶できるか? 」

彼の優しさに、美生は泣きそうになったが、無言で頷いた。

乱暴をした当事者である涼はというと、

救急車で美生が搬送された日以来、彼女を見舞うことすら、

全くしなかったのだった。

産科を出ると、美生は礼司の車の助手席に乗った。

「 お兄ちゃん・・・ごめんね。

  私・・・お兄ちゃんの忠告を聞かなかったから、

  いけなかったんだね。 」

「 そんなこと言うな。

  美生はアイツのことを、見捨てることもなく、信じていただけだ。

  それなのに・・・・・アイツは、美生の思いを利用した。

  アイツは・・・美生を、こんな目に遭わせた張本人なくせに、

  一度も見舞いにも来なかった・・・。

  どういう神経してるんだ!

  美生が、救急車で産科に搬送された当日だって、

  ”どうしても外せない急用があるから” と逃げるように、

  さっさと帰って行ったらしいじゃないか。 」

看護師から聞いた情報を思い出し、礼司が吐き出すように呟いた。

「 オレ、昨日、アイツのアパートに行ったんだ。 」

「 えっ? 」

美生は礼司の言葉から、一瞬、涼自身の反省の言葉を期待した。

だが、そんな期待は見事に裏切られた。

「 アイツ、何て言ったと思う?

  ”オレの子供かどうか、わかんないです”

  ”暴力を振るったのは、美生がしつこかったから” 

  ”オレばかりじゃなく、美生だって悪かったはずです”

  ”もし万が一、オレの子供なら、慰謝料とやらを払えばいいんでしょ?”

  ”慰謝料を払えば、美生やアンタとも縁が切れるんですよね?”

  結局、アイツの口から、謝罪の言葉は一つもなかった。

  美生のことなんか、微塵も心配していない。

  アイツの頭の中は、自分の保身のことばかりだった。

  オレ・・・怒りで・・・全身、震えたよ。

  近いうちに、アイツの保護者である伯父夫婦と、

  父さんと母さんで話し合いを持つことになった。

  美生・・・お前の悪いようには、絶対にしないって、

  父さんが言っていたぞ。

  父さんは、元々、冷静沈着な人なはずなのに、

  ソワソワして落ち着かなく見えた。

  内心、怒りや悲しみでいっぱいなんだよ。

  母さんも気丈には振舞ってはいたけれど、

  一人で、そっと泣いてたのを見てしまった・・・。

  母さんの、あんな姿に、オレ・・・胸が締め付けられる思いだった。

  2人とも、美生のことを大切に思っているし、心配でならないんだぞ。

  オレがちょっぴりヤキモチ妬くくらいに・・・。 」

そう言い、礼司は微笑むと、急に真顔になり、

「 だから・・もう、あんなヤツのことは忘れるんだ。

  心も身体も傷つけられて、すぐに忘れろなんて、残酷かもしれないけど、

  オレは、そう願いたい。 」

礼司は美生を思うからこそ、涼への怒りを顕にしてはいたが、

彼の言った ”涼の台詞の一つ一つ” が皮肉にも、

再び美生の心に突き刺さった。

~~~





涼から受けた、身体的暴力、そして言葉の暴力は、

どちらも美生の心に、深い傷跡を残してしまったこと。

そして彼女が、どんなに苦しんだかを、想像した柊也の胸は、とても痛んだ。

ーーオレが、涼に ”弱い男” なんて言わなければ・・・。

そんな彼の複雑な心境を察した美生は、

「 柊也!

  また自分のせいだって思っている? 」

返事の代わりに柊也が深くうな垂れると、

「 私は柊也のことを責めない・・・うううん、責められない。

  だって今の私があるのは、柊也がいるから・・・。

  遠回りしてしまったけど、私は柊也みたいな男の子と再会することができた。

  柊也のプラス思考が、私にもうつっちゃったかな? 」

美生が、柊也の気を取り直すかのようにクスッと笑ってみせると、

「 ”柊也がいるから” ・・・そんな風に言ってもらえて、オレ、嬉しいよ。

  でも今の美生があるのは、周りのみんなのお陰でもあるんだよ。

  オレは、その中の一人に過ぎない。

  香織ちゃんをはじめとする女友達は、もちろんのこと、

  拓郎や智樹だって・・・どんなに美生のことを心配して、

  黙って見守ってきていたか・・・。

  2人共、美生が怖がっていた ”男” という生き物ではあるけれど、

  不器用なくせして、真っ直ぐで、あたたかい奴らなんだ。

  男にだって、こんな奴らもいるんだよ・・・。 」

「 うん・・・2人の優しい気持ち、気付いていたよ。

  だからサークルにいても、私は居心地がよかったんだと思う。

  拓郎先輩や、智樹くんにも感謝してる。

  男の子って、涼みたいな人ばかりじゃないって、

  今まで2人を見ているうちに、徐々に感じてきたことだったから・・・。 」

美生は優しく微笑んだ後、目を伏せると、

「 涼だって・・涼だって、最初から、あんな人ではなかった。

  本当は純粋で優しい人なのに・・・。

  さっきも言ったけど、結局、涼は弱い自分に負けてしまったんだよ。

  だから柊也が悪いだなんて思ってない。

  絶対に柊也には、自分を責めて欲しくないの。 」

美生の真っ直ぐな視線に、観念したように柊也が黙って頷くと、

 私が涼を見たのは、あの日が最後だった。

  それ以来、涼には会っていない・・・。

  あの日・・・あの時、涼に殴られ、蹴られながら思ったの。

  あれが涼の本心だったんだって、

  私は自分の存在が嫌になるほど、それを痛感した。

  言葉の一つ一つが突き刺さった。

  涼は私のことを、そんな風に思っていたんだなって・・・。

  それが、わかったら、今まで私が涼のために良かれとしてきたこと、

  思っていたことは、一体何だったんだろうって・・・。 

  結局、私は、涼に不快感を与えていただけなのかなって・・・。 」

「 美生が涼のためにしてきたこと、思っていたことは、

  絶対に間違ってなんかいない。

  好きな人のために、誰だってすることだって思う。

  美生の愛情に甘え過ぎて、涼は、それを利用したんだ。

  ただ美生の本当の良さが、アイツには、わからなかっただけ・・・。 」

「 ありがとう・・・柊也・・・。

  もっと早く柊也と再会できていたらな・・・。

  私、あれから男の子に恋愛感情を持てなくなっていった。

  どんなに私が愛しても、みんな、涼のように私を疎ましく思って、

  迷惑がるんじゃないか?

  私は利用されるだけで、本当に愛してはもらえないんじゃないか?・・・って・・・。

  それに男の子たちの話す些細な自慢話しまで、

  嘘だって、私は疑うようになっていった。

  でも・・・辛かったのは私だけじゃない。

  涼だって、自分に歯止めが利かなくなって、

  苦しんでいたと信じたい。 」

「 美生・・・・。 」

美生は、とうとう涙をボロボロとこぼし泣き出した。


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


< なん作家のつぶやき > 


涼は自分がしてしまったことを、一言も謝らず、反省せず、


美生が悪いという言い方をしていましたね (-""-;)


逆に美生は、涼の夢の妨げにならないように、


傷害を訴えるのを拒否しました。


それほどまでに涼に対する美生の思いが深かったのでしょう。。。


でも今日の美生の最後の台詞にもあるように、


涼だって、自分に歯止めが利かなくなっていた ・・・ ということを、


信じたいですね (^人^)


さて ・・・ 次回は両親のレン、ミオが、


涼の育て親である工藤家に話し合いに向います。


そこでも涼は ・・・・・・・・ はてなマーク


次回もお楽しみに (^-^)/


                               なん作家 Yu