登場人物 ![]()
山下美生 ・・・ K音大3年生 ピアノ専攻
料理上手
背が高い 童顔
森田柊也 ・・・ 同大学3年生 バイオリン専攻
美生よりも、ひとつ年上
ひょうきん
工藤涼 ・・・ 美生の高校時代の同級生、彼氏
軽音部に所属していた
今までのお話し ![]()
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部屋の中は、しばらく重い空気に包まれていた。
美生の心中、柊也の心中は、それぞれに違ってはいたが、それぞれに複雑でもあった。
「 美生・・・。
オレ、涼に嫉妬したかも・・・。
美生に、すごく愛されていたんだな・・・アイツ・・・。 」
「 ・・・うん。
あの頃の私には、涼しか見えなかった。
ごめんね・・・柊也。 」
「 ・・・いいよ。
過去のこととして受け止めようと思ってる。
それでいいんだよな?・・・美生。 」
「 うん・・・それでいいよ。
ありがとう。 」
美生は、きっぱり返事をすると、
「 S海に行った時のことは、この前、柊也が話してくれたことと、
大して違わない。
涼は私に他の男の子がナンパ目的で近寄ってくることに対して、
神経質になっているように、その時の私には思えた。
でも私は、すごく嬉しかったの。
涼が私のことを愛してくれているって、感じることができたから・・・。
私・・・それほどに不安だったの。
それなのに・・・ ”Cool” のライブでステージに上がった涼は、
”カノジョはいない” と言い、カノジョであるはずの私を否定した。
その時、身を持って、わかったの。
涼が大切にしているのは、私よりも、音楽なんだって・・・。
それが涼の本心なんだって・・・。
お兄ちゃんが言っていた通り、私は涼にとって、アイテムなだけだと、
思い知らされた。
悲しかった・・・・涼に否定されたように、
私も自分自身の存在を否定したくなった。
だから私は死のうだなんて、馬鹿なことを考えてしまった。
うううん・・・それだけじゃなかった。
私・・・自分へのパパとママの思いを、心の底では、わかっていながらも、
素直になれずに意地を張ってた。
そんなひねくれた自分も許せなかったの。
いっそパパやママの前からいなくなる方がいいと思った私は、
パパに頬を打たれたばかりのクセして、学習してなかったのかも・・・。
でも、この前、柊也にも話した通り、いざ死のうとして、海中に沈んで、
溺れて、身体が思うがままに動かなくなってしまうと、
皮肉にも、パパやママの愛情が感じられる思い出だけが、
次から次へと頭の中で高速回転で浮かんでは消えていったの。
そうしたらハッキリと死ぬのは嫌だって思った。
そんな状況の中・・・いつの間にか意識が無くなっていたんだね・・・私・・・。
そのあと柊也に助けられた。
今、思うと・・・
あの時、溺れていた私を助けてくれたのは、本当は柊也だったのに、
私は涼が、自分を助けてくれたと、大きな勘違いをした。
涼も ”違うよ” と否定をしなかったから、私は、そう思い込んでしまった。
それに涼は、私を ”失いたくない” ”大切にする” とまで言ってくれた。
だから・・・私、また涼を信じようって思ったの。
私が涼のことを好きなことには変わりがなかったし、
涼にも、そういう気持ちがあるのなら、
もう一度、やり直せるって信じてた・・・あの頃は・・・。
それなのに・・・涼は、あの夏の日から、目に見えるように、
更に変わっていった・・・。
私の愛する涼とは駆け離れていった。 」
そして美生は、一呼吸を置くと、思い切って言った。
「 柊也・・・。
これから、あのS海での出来事から、
私が救急車で運ばれていった後のことから話すね。
でもね・・・柊也。
全部、話しを聞き終わっても、
自分のせいだとは、絶対に思わないでほしいの。
それは・・・涼自身の問題だと思うから・・・。 」
「 えっ?
それって、どういう意味? 」
念を押す美生に、柊也は不安な表情をした。
ーー柊也には辛いことを話すことになるかもしれない。
でも、あの時、涼に ”弱い男” だと言った柊也は、
決して間違っていない。
柊也は本当のことを言っただけなんだから・・・。
平静を取り戻すように、呼吸と整えると、彼女は再び話し出した。
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< なん作家のつぶやき >
3年前の美生が、どれだけ涼のことを、真剣に愛していたか・・・。
S海でのことを交えて、美生の揺れる女心を書きました (*゚ー゚*)
愛する人を信じたい・・・でも迷いが生じてしまうと、
とても苦しいものですね ・°・(ノД`)・°・
次回は、3年前にS海で溺れた美生が、
救急車で搬送されてからの回想です (‐^▽^‐)
次回も、おったのしみに~ (^-^)ノ~~
( こども向けのアニメ風に
)
なん作家 Yu