ダッフィー 登場人物 ダッフィー


ミッキー 山下美生 ・・・ K音大3年生 ピアノ専攻

             背が高い 料理上手

             高校時代は軽音部のキーボード


ミッキー 森田柊也 ・・・ 同大学3年生 バイオリン専攻

             好奇心旺盛 少年のような、あどけなさも持つ

             美生とは、アンサンブルのパートナーでもある


ミッキー 工藤涼 ・・・ 美生と同級生であり、彼氏だった

            軽音部の自分のバンドでは、ボーカル

            学校内で一目置かれる存在


ミッキー 山下レン ・・・ 美生の父親

             どちらかというと無口な部類に入る

             言うべき時には、筋の通ったことを言う


ミッキー 山下ミオ ・・・ 美生の母親

             夫のレンを支えながら、設計事務所で一緒に働く

             美生と容姿が似ている



デールダッフィー 今までのお話し デールダッフィー


「プロローグ」


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「91」  「92」


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涼と2人だけで誕生日を過ごした美生は自宅マンションに戻ってきた。

ーー帰る予定の時間よりも、遅くなっちゃった。

   涼と一緒だと、つい時間を忘れてしまう。

   パパとママには、また何か言われそう・・・。

   でも今日は素直に謝ろう。

   約束を破ったのは私なんだもん・・・。

マンションのエレベーターに一人乗ると、

彼女は、涼との甘い時間を思い出し、頬を赤らめた。

ーー涼とバースディーケーキのロウソクを一緒に吹き消した。

   ツーショットの写メを、いっぱい撮った。

   ピザを食べながら会話が、とても弾んだ。

   その会話の内容だって、いつもするバンドの話しではなくって、

   どこにでもあるような、たわいもない話題が中心で、私には嬉しかった。

   私は、こんな話題を涼と、いっぱいお喋りしたかったのかも・・・。

   ピザやケーキを食べると、一緒にレンタルショップに行った。

   ”ミウッペを連れて歩いていると、

    他の野郎がミウッペに見惚れているから、

    一緒にいるオレは鼻が高い” って、涼は言ってた。

   レンタルショップで、私が観たかった恋愛映画のDVDを借りてきて、

   一緒に観た。

   そのあと・・・涼は、いつもよりも、もっと優しく私を愛してくれた。

   時々 ”美生、綺麗だ、愛してる” って、囁きながら・・・。

その幸せな時間が、いつもより彼女の心を穏やかにしていた。

美生は、ふと自分の右手薬指に視線を落とした。

右手薬指には、彼からプレゼントされたファッションリングが、

照明の光を受けて、輝いて見えた。

まるで先々の2人の恋愛を、形にしたかのように美生には思え、

たとえ、そのリングが安物のイミテーションでも、彼女の心を満たした。

ーー私は涼に愛されてる・・・。

ところが自宅の玄関を抜けて、リビングに入った途端、

美生の姿を目にした母親のミオの驚きに似た声と怒声が、

彼女の耳に飛び込んだ。

「 美生!!

  友達と誕生パーティーをやるって言って、出掛けたのはいいけど、

  今、何時だと思ってるの?

  11時過ぎなんて、高校生の女の子が帰って来るような時間じゃないでしょ?

  友達と・・・だなんて嘘でしょ?

  本当は男の子と一緒だったんじゃない?

  美生の薬指に付けている、その指輪・・・お母さん、初めて見た。 」

ミオの言葉に、美生は無言で右手の薬指を、左手の平で隠した。

「 それに何?

  その髪型や格好は?

  肌を露出し過ぎるようなもの、着るのはやめなさい!!

  お化粧までしてるね。

  夏休みに入ったからって、あんまりにも派手過ぎなんじゃない?

  もっと歳相応なお洒落があるでしょ!!

  今度、仕事が休みの日、一緒に美容院に行こう。

  お母さん、美生の、そんな姿なんか見たくない!! 」

ミオの傍では、父親のレンが黙って美生を見ている。

彼は美生と目が合っても、微塵も逸らすことなく、

彼女を怖い目でジッと見据えていた。

2人の様子に、素直に謝ろうと思っていた美生の思いは大きな音を立てて崩れた。

「 なによ・・・パパも、ママも!!!

  お兄ちゃんの時は甘かったクセに!

  私が、どこで、誰と一緒だって、パパやママには関係ないでしょ?

  女の子だからという理由で、なんで拘束されなくちゃいけないの?

  それに髪型や着るものに、いちいち文句つけないでよ!!

  もう私だって子供じゃないんだよ。

  それともパパとママの思い通りになる人形になって、

  ジッとしていれば気が済むっていうの? 」

「 確かに礼司の時は甘かったかもしれない。

  でも礼司は小さい頃から、ちゃんと自分の管理が出来ていた子だったから、

  私たちは黙って見守る形をとっていたの。

  お兄ちゃんと比べると、美生・・・あなたは女の子だし、

  どこか危なっかしく見えるの。

  だから私も、お父さんも、美生が心配でならないの!

  この気持ちは、わかってほしい・・・。 」

懇願混じりにミオが言うと、

「 わかった・・・よ~くわかった。

  ママは、いっつもお兄ちゃんと私を比べていたってこと・・・。

  何でも出来る優秀なお兄ちゃんは心配がいらなくって可愛いけど、

  出来の悪い私は心配だって言うよりも、信用できないってことでしょ?

  言わせてもらうけど、私が、こんな子になったのは、

  パパとママの育て方が悪かったから・・・。

  いつもママはお兄ちゃんばかりにエコヒイキして、

  私のことは二の次だったでしょ。

  パパだって同じだよ!

  仕事ばかりのせいにして、あまり私とは関わってくれなかった・・・。

  たまの休みに私と一緒にショッピングに行く事すら、パパは渋々だった。

  でもお兄ちゃんには違ってた。

  お兄ちゃんが高校生だった時、パパとお兄ちゃんは、2人だけで、

  ママの実家に出掛けたことがあったよね?

  その時の出掛けた理由が、どうであっても、

  どんなに私が寂しかったか、わかる?

  パパやママにとっては、お兄ちゃんだけ特別なんだよ!

  もしも・・・もしも・・お兄ちゃんみたいに優秀になったら、

  パパやママも、私のことをちゃんと見てくれるかなと思って、

  私は、いろんなことを努力してきた。

  それでも・・・あまり変わらなかった。

  ねぇ・・・今まで私が、仕事で忙しくしているパパとママに、

  一度でも我が儘を言った事があった?

  ずっと我慢していたんだよ。

  パパとママは仕事で大変なんだって、自分に言い聞かせて、

  理解している振りをしてきたんだよ。

  本当は寂しくって、孤独で、自分が押し潰されそうな思いをしてた。

  私・・・パパとママの子に生まれなければよかった!!

  私なんか、いなくってもよかったんでしょ?

  子供はお兄ちゃんだけで充分なんでしょ? 」

言い過ぎだと感じながらも、今まで心の中に蓄積されたものが、

言葉になって吐き出され始めたら、自分では制御できないくらいに、

とめどなく美生の口から、どんどん溢れ出ていた。

泣くのを堪えながら、怒気のこもった声で、彼女が言い放つと同時に、

今まで黙っていたレンが勢いよく立ち上がり、

彼女の傍に行くと、その頬を平手打ちした。

パシリッ・・・・・・。

その凄まじい音に、一瞬、リビング内の空気が固まったかのようになった。

美生の目からは、涙が後から後から流れた。

「 今まで美生との関わりを、あまり持てなかった事は、悪かったと思う。

  今更、言い訳もできない。

  でも、いつ?美生がいない方がいいと言った?

  礼司のことだけ、特別扱いした覚えもない。

  父さんと母さんが、お前のことを、どれだけ心配し大切に思っているのか、

  わからないのか!!! 」

彼女を叩いたレンの手と声は震え、目には薄っすらと涙が浮かんでいた。

「 わからないよ!!! 」

そのまま頬を押さえると、美生は泣きながら自分の部屋に駆け込み、鍵を掛けた。

~~~





そこまで話した美生の声が震えているのに気付き、柊也は優しく言葉を掛けた。

「 そうか・・・そんなことがあったんだね。

  美生は、さっきも水子地蔵の前で自分の気持ちを話してくれたけど、

  今は、お父さんとお母さんのことを理解できていると思うし、

  その頃の美生はまだ子供だったんだ。 」

「 ・・・うん・・そうかもしれない・・・。 」

美生は悲しそうに目を伏せると、

「 パパが私を引っ叩いたのは、あの時が初めてだったの。

  叩いた後のパパの手や声が、すごく震えていた。

  きっと心の中で泣いていたんじゃないかって思う。

  それに・・・ママだって・・・すごく辛そうだった。

  その時の私の涙の理由は、頬を打たれた痛みと悔しさ、

  自分への嫌悪感はもちろんのこと、

  パパとママへの嫌悪感に、2人の心の痛みが伝わってくる感覚が、

  混ざっていたと思う。

  でも私は素直になれなかったから、それには気付かない振りをして、

  もっと荒れて、パパとママを苦しめた・・・。 」

「 美生・・・。 」

柊也が傍に寄ると、美生は彼の胸を借りて、号泣したのだった。


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< なん作家のつぶやき >


お互いを大切に感じる思いは、同じはずなのに、


激しく衝突し合った、美生と両親のレンとミオ。


美生にも、両親の思いが通じているはずなのに、


若さ故に、意固地になってしまいましたね (x_x;)


でも 「 雨降って 地固まる 」 ように、


その波乱も、無くてはならないものなのかもしれません。


雨が降るからこそ、晴れた日が、一層に気分爽快になるように、


美生の心も、晴れやかになる時が、きっと来るでしょう ・・・。


たまには、いいこと言うでしょはてなマーク なん作家も (≧▽≦) 笑


次回は、翌朝になってから、美生は ・・・・・・・・・・・・ はてなマークはてなマークはてなマーク


今日もご愛読、ありがとうです m(_ _ )m


                              なん作家 Yu