私が 危惧していたことが
起きた
自宅に戻ってからの 母は
鎮痛剤が切れると
再度
痛みを訴えてきた
病院でもらったコルセットは
1分 試着しただけで
苦しい
と言って 二度と使おうとしなかった
トイレには
どうにか 一人で
行けるようになってたけど
それ以外は
ほぼ一日中 横になっていて
食欲もなく
とても
症状が改善している
と思える状態では なかった
全てが
ある意味 想定通りだった
母に振り回される日々が
また 始まった
1週間で
処方された鎮痛剤が 切れた
今回は
圧迫骨折していることが わかっていたので
私は 母を
近所の整形外科に 連れて行った
そこで また
これまでの事情を 話し
新たに レントゲンを撮った
レントゲンを診ながらの
診察の時
先生は
深い深い ため息を付き
あ~あ
なんで もっと早く
来なかったかなあ
さも残念そうに そう言った
えっ?
思わず 声が出てしまった
私
先生は レントゲンを指さしながら
ほら ここ 見て
骨が 潰れてるでしょ
この下の骨も潰れて
この下も… 怪しいなあ
そう言って
私の方を向き
圧迫骨折って こんな具合に
気をつけないと
連鎖して 潰れていくんですよ
そして
今度は
手を動かしながら
説明を始めた
背骨って こういうカンジに
緩やかに カーブしているでしょ
だから 骨折したら
すぐ コルセット使って
その状態を固定することが 大切なんです
あ コルセットなら
病院でいただきました
私は 口を挟んだ
でも 本人が嫌がるので…
と言いながら それを見せると
あ これじゃなくてね
ボクが言っているのは
セミオーダーの
もっと しっかりしたやつ
これより もっと
使い心地は よくないんだけどね
でも 転んですぐ
それを使っておくと
骨折も 1箇所で止まって
痛みも 少なかったはずですよ
そして 私の顔を見て
しかも
最初 レントゲンでは
わからないくらいの
小さな骨折だったんでしょ
それが
前かがみにしたり
うつ伏せにしたりして
背骨を動かしたから
どんどん 骨折箇所が
広がっていってしまったんでしょ
そう言って
先生は
もう一度 大きなため息を付き
母の背中に 手を当て
ねえ おかあさん
こんなに背中 曲がっちゃってねえ
痛いよねえ
同情するように 何度も擦った
私には
先生の言葉が
私を非難しているように 聞こえた
でも
振り返れば
先生の 一連の言葉は
いちいち もっともだった
ただ
それは
骨折したことがわかった 今
そう 思えるのであって
救急の病院でも かかりつけ医でも
骨折はしていない
という見立てだった
いや
思い返せば
いずれの先生も
可能性としての骨折を
全否定していたわけでは なかった
かかりつけ医は
さり気なく
整形外科の受診を 勧めてくれもした
ただ
先生方の
おそらく 骨折はしていない
という言葉の意味を
私が
99.99% 骨折していない
と受け取った
受け取ってしまった
そして それを前提に
次の行動を 決めていった
例えば
良かれ と思って
母を
2回も 整体に連れて行き
うつ伏せの状態で
鍼を打たせて
マッサージまで
させてしまった
さすがに
先生には 言えなかったけど
それが
圧迫骨折を
悪化させてしまった可能性が
高いことは
今となっては
よくわかる
おかあさん
本当に ゴメン

