友人 Nちゃんは
私と同じく
実母を 同居介護している
ワンオペ介護ともだちだ
先日 夜
その Nちゃんから
衝撃的なLINEが入った
私
洗面器一杯 吐血しちゃった
明日の朝
病院に行くつもりなんだけど
その間
何か 気をつけることあるかな?
えっ!?
その日に限って
早くから寝ていた私は
ベッドから 飛び起きた
寝入り端で
頭は ぼ~っとしてたけど
異常事態であることだけは
理解した
ち…ちょっと待って
Nちゃん
これ ツッコミどころ満載だよ
気をつけることが あるかどうか
という以前に
洗面器一杯の吐血 とか
今すぐ救急車呼ぶ 案件でしょ
そう書いて 返信したいのに
指が やたらと文字を 打ち間違える
なぜ!?
それは 部屋が暗いせいだ
と気づくまで
だいぶ 時間がかかった
そのくらい
私は パニックになっていた
その 私のLINEに対して
彼女からの返事は
夜 救急車で
病院に行ったら
絶対 入院させられちゃう
母を置いて 入院なんて
できないよ
明日の午前中
ヘルパーさんが 来てくれる予定に
なっているので
その後 病院に行きます
今 ポカリを飲んで
脱水には 気をつけてます
いやいやいや…
脱水に 気をつけるより
病院に行ってほしい
こんな時
ささっと 友人のところへ
駆けつけられない 自分が
もどかしい
私には
認知症母がいて
母を ひとりで 長く
置いてはおけない
母を車に乗せて 一緒に行く
という手もあるけれど
残念なことに その時の私は
夕食に飲んだ アルコールが
まだ 体内に残っていたのだった
そんな 歯痒い思いをしている
間にも
Nちゃんから 次々 LINEが届く
熱が ある
目が 見えなくなってきた
めまいがして 立っていられない
私は
イヤな予感を 振り払いつつ
医療関係の仕事をしている
娘 ドラ子に
アドバイスを聞こう
と
それらの言葉を LINEした
ドラ子からは
直接 診ていないので
はっきりとは言えないけど
そんな状態なら
急に 症状が悪くなる可能性が
十分にあるよ
とにかく 病院には
早く行った方が いいと思う
そう 返事が来たので
Nちゃんに それを伝えた
自治体の 救急相談窓口に
電話するようにも 勧めた
案の定 Nちゃんからは
すぐ救急車を 呼んだほうがいい
と 言われちゃった
と 返事があった
つまり
やっぱり
どう考えても
これって
即 病院に行くやつだよ
そう書いて送った 私のLINEに
しばらくして 来た返事は
以下のようなものだった
ぷりんちゃん
いろいろ ありがとう
でも 母が 私に
どうしても 病院に
行かないでほしい
って言って 泣くの
私が病院に行くことが
母の ストレスになって
また心不全を起こされたら 困るので
とりあえず
このまま 朝まで 様子を見ます
大丈夫
私
このまま 死ぬようなことは
ないと思う…
遡ること 半年ほど前
私は Nちゃんから
こんな話を 聞いていた
母がね
心不全で 緊急入院してたの
その時 先生から
生きて退院は 無理でしょう
と言われて
この コロナ禍
ずっと 面会もできないまま
母を たった一人で逝かせるなんて
私は 絶対 イヤだったし
病院のやり方にも
色々 不信感があって
だったら 家で
最期の時間を 過ごさせます
そう言って
強引に 退院させてきちゃったの
そして その後は
というと
Nちゃんのお母さまは
住み慣れた自宅で
娘の献身的な世話を受けて
療養を続けるうち
なんと!
奇跡の回復を 遂げたのだった
もちろん 体調面が
薄氷を踏むような状態であることに
変わりはないんだけれど
でも 今は
訪問医療を受けながら
落ち着いて 暮らしている
私は
母娘の そんな様子を 知っていた
今回
Nちゃんが入院したら
お母さまは
恐らく どこかの病院か 施設に
入ることになるだろう
そうしたら
二人にとって
今度こそ 今生の別れになる
かもしれない
お母さまや Nちゃんには
そんな景色が
現実の向こうに
見えているんだろう
だとしたら
これ以上 私に
何が言える?
Nちゃんは 結局
翌朝
ヘルパーさんが来るのを 待って
病院に行った
極度の貧血で
案の定
即 入院
がんの可能性も ある
と言われたらしい
お母さまは
Nちゃんの 強い希望と
ヘルパーさんの 尽力と
ご近所さんの 連携で
とりあえずは
家で介護を 続け
その後は 彼女の病状次第
ということになった
そして 入院の翌日
Nちゃんから
安静を条件に 退院できました!
と うれしい報告が 届いた
採血の結果が
少し 改善したらしい
とはいえ
かなり 強引な退院だろう
まだまだ 予断を許さない状況で
再入院の可能性も
大いにありそうなんだけど
それでも
取り敢えずは 退院できて
取り敢えずは また 今まで通り
お母さまとの生活を 続けられる
先ずは よかった
この2日間は
私にとって
いろいろなことを 考えさせられて
いろいろなことに 気づかされた
時間だった
自分は まだ そこまで
追い詰められたことは ないけれど
ワンオペ介護って
状況によっては
究極の選択を 迫られることがある
そんな リスクを
つくづく 感じて
(ある意味 ワンオペ育児も同様だよね)
介護する側として
自分の健康の大切さを 強く感じたし
でも
努力や 気持ちの強さだけでは
乗り越えられない
厳しい現実が ある
ということも
今日の平穏が
明日も続くとは 限らないことも
そして
気持ちが 折れそうになった時
周りの人の存在が
如何に 有り難いものか
自分の今は
周りの人の 支えがあってこそだな
そのことに
もっと 感謝しなくちゃね
と
しみじみ 思ったのだった
