婚活ビジネス、百花繚乱 「モテ講座」満員御礼
2009年6月21日12時14分
ヨメ探しでもムコ選びでもなく、「婚活(結婚活動)」。そんなパートナー探しが広く知れわたり、市場を狙ったビジネスが百花繚乱(ひゃっかりょうらん)だ。商工会議所が開くモテるためのマナー講座も、有名ホテルが仕掛けるお見合いパーティーも、いずこも満員御礼だ。
「自己紹介の練習をします。巧みな話術は要りません。肝心なのは最初と最後のあいさつ。さあ、どうぞ」
35人ずつの男女がペアになって自己紹介を始めた。
6月上旬、名古屋商工会議所が開いた「独身限定! “また会いたい”と思わせるモテ講座」の一場面だ。3回目の今年、初めて「婚活」の一言をチラシに使ったところ、問い合わせと申し込みで事務局の電話は鳴りっぱなし。応募は227人を数え、計40人の定員を70人に増やした。
同商議所によると、会員企業の経営者らの雑談に、自分の子どもや従業員が30代になっても独身で居続けることを心配する内容が増え、婚活企画を始めた。「家庭と両立しながら、仕事でも輝きたいという向上心を応援したい」と同商議所大曽根支部長の中島豊さん(59)。
名古屋市西区のホテル「ウェスティンナゴヤキャッスル」も、5月から次々と婚活をテーマに新企画を打ち出した。似合う色やファッションを教わって外見を磨く女性用講座があれば、婚活パーティーもある。
結婚支援会社「オンリーワン・スペース」(津市)は5月下旬、三重県伊賀市で結婚を目的としたゴルフ合コンを企画した。同社によると、県内では初めて。男女24人が、名古屋市や関西地方も含む県内外から集まった。
名古屋商工会議所の婚活講座で講師を務めた正門律子さん(33)は、自ら営むマナー研修会社でも婚活講座を始める。「婚活は不況を救う」と息巻く。「独身男性は財布のひもが固いが、彼女ができればデートで車も借りるし、映画を見て外食もする。結婚が決まれば結婚式に新婚旅行。その先にはベビー用品。婚活を応援したい」と話す。
婚活市場は、圧倒的な「女性過多」が特徴だ。名古屋商工会議所の講座は応募者227人の7割が女性。ウェスティンナゴヤキャッスルのパーティーも、先に女性の方が定員に達した。正門さんは言う。「婚活ブームは女性への追い風です。自ら行動しないと結婚できないという現実が認知された」
自己PR法のコンサルタントとして活動する大洲早生李さん(30)は、働く女性へのコンサルティングに際し、「婚活支援」も相談されるケースが増えているという。
豊田市の女性会社員(32)は3カ月間、大洲さんのコンサルティングを受けた。「私はこれをやっているという自負を持つために、働き続けたい。子どもを産んで幸せな家族も持ちたい」と相談する女性に、大洲さんは質問した。「パートナーはどんな人がいいですか」「どうしたらその人に出会えると思いますか」
異業種交流会への参加、周囲への協力依頼――。質問への答えを、女性はとりあえず実行した。すると急にデートに誘われる回数が増え始めた。「自分の殻を破れたみたい」と女性。その後、友人だった年下の男性と付き合い始めた。
人材開発会社「エ・ム・ズ」(名古屋市)は5月に恋愛セミナーを始めた。秋田稲美社長は「恋愛や結婚の悩みと向き合うことは自分を見つめること。会社や地域の人間関係にも応用できる」。
過疎や後継者不足を抱える地域の昔ながらの「嫁探し」にも、婚活ブームにあやかる動きが目立つ。
三重県鳥羽市は今年度、離島の漁師と都会の女性を結びつける事業の対象を、市内全域の男性に広げた。回数も年1回から2回に増やした。鳥羽市の人口は2万3千人弱でピーク時の60年から8千人近く減った。市企画財政課の中村菊也課長補佐は「婚活ブームはチャンス」と話す。
「『婚活』時代」の共著があるジャーナリストの白河桃子さんは、「独身者の増加と人口減少が直結する地方ほど、自治体が費用を負担して男女を結びつける支援が盛ん」と話す。
結婚支援に熱心な市長も出てきている。三重県松阪市では、1月に当選したばかりの山中光茂市長が選挙のマニフェストに「少子化対策の縁結びプロジェクト」を盛り込んだ。市主催のパーティーを予定している。愛知県東海市の鈴木淳雄市長も、3選した4月の選挙で「30代男性の未婚率を30%に下げる」と数値目標を定めた。最新の国勢調査では39.9%。若者が結婚しない原因究明から始める。(朝日コムより)
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